橋立 (砲艦)

橋立砲艦：激動の時代を生き抜いた軍艦の生涯

概要

「橋立」は、日本海軍が保有した砲艦です。同名の艦船としては2代目にあたります。沿岸や洋上での運用を想定し、旗艦としての機能も備えた設計が特徴でした。大阪鉄工所桜島工場で建造され、1940年6月30日に竣工しました。日中戦争、太平洋戦争と激動の時代を戦い抜き、1944年5月22日、米潜水艦の雷撃により南シナ海で沈没、乗員180名全員戦死するという悲劇的な最期を遂げました。

艦歴

「安宅」の代替艦として建造された「橋立」は、竣工後、日中戦争において長江流域での哨戒任務に就きました。太平洋戦争開戦後は、香港攻略戦に参加。その後は第二遣支艦隊の旗艦として、中国沿岸の警備や船団護衛といった重要な役割を担いました。

1943年8月30日、香港近海の九針群島付近で米軍機と交戦し、艦長露口操大佐以下6名が戦死するという大きな損害を受けました。それから約8ヶ月後の1944年5月20日、南シナ海東沙島南方で第八八船団を護衛中にB-24爆撃機4機の攻撃を受けました。激しい対空砲火により、敵機2機を撃墜、2機に損傷を与えましたが、5月22日、損傷した輸送船「筑波丸」の救助中に、米潜水艦「ピクーダ」の雷撃を受け、艦長村井貞敏大佐以下乗員180名全員が戦死、艦船は沈没しました。1944年10月1日、軍艦から除かれ、艦艇の砲艦に類別変更されました。

艦長

「橋立」の艦長には、以下の人物が就任しました。

艤装員長：香川清登中佐（1940年2月1日 - 6月30日）
艦長：香川清登中佐（1940年6月30日 - 1941年9月20日）
艦長：山代勝守中佐（1941年9月20日 - 不明）
艦長：露口操大佐（不明 - 1943年8月30日戦死）
艦長：村井貞敏大佐（1943年9月14日 - 1944年5月22日戦死）

同型艦

「橋立」と同型艦として「宇治」[II] が存在しました。

参考文献

雑誌「丸」編集部、『写真｜日本の軍艦　第9巻　軽巡Ⅱ』、光人社、1990年
海軍歴史保存会、『日本海軍史』第7巻、第9巻、第一法規出版、1995年

関連項目

大日本帝国海軍艦艇一覧
橋立 [I] （巡洋艦）
はしだて（海上自衛隊特務艇）

結論

「橋立」は、日中戦争と太平洋戦争において重要な役割を担った砲艦でした。その活躍と悲劇的な最期は、当時の激動の時代を象徴する出来事と言えるでしょう。本稿が、この軍艦の歴史を理解する上で少しでも役立つことを願っています。

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