橋立堂

橋立堂：埼玉県秩父市の曹洞宗の寺院

概要

橋立堂（はしだてどう）は、埼玉県秩父市にある曹洞宗の寺院です。この寺院は石龍山という山号を持つ、歴史ある場所であり、特に馬頭観音を本尊としています。神秘的な雰囲気が漂うこの寺院は、訪れる人々に深い癒しを与えています。寺の本尊の真言は「おん あみりとう どはんば うんはった そわか」で、御詠歌として「霧の海たち重なるは雲の波 たぐいあらじとわたる橋立」と歌われるのが特徴です。

歴史

橋立堂の創建時期は明らかではありませんが、1488年（長享2年）の秩父札所番付にその名が記されています。このことから、それ以前には存在していたと考えられています。江戸時代に入ると、寺は今宮坊という礼所の管理下で、修験道の寺院としての役割を果たしていました。しかし、明治初期に施行された神仏分離令や修験禁止令の影響により、寺は大きな変化を余儀なくされました。現在、橋立堂は秩父四十四箇所の第28番札所として知られ、大渕寺（曹洞宗）の境外仏堂となっています。

この寺院の本尊である馬頭観音は、秩父三十四箇所の中で唯一当堂に存在しており、他の札所や霊場と比較しても非常に特異な存在です。著名な西国三十三所・坂東三十三箇所を含む「日本百観音」の中でも、西国第29番札所の松尾寺が同様の視点で知られています。

納経所は、冬季の12月から2月末まで閉鎖されるため、この期間中の納経（御朱印）は大渕寺で行うことになります。

文化財

橋立堂は、秩父市が指定する史跡の一つであり、昭和40年1月25日にその価値が認められました。この寺院の歴史や文化的な意義は地域社会においても高く評価されています。

アクセス

橋立堂へのアクセスは、浦山口駅から徒歩約14分、また二十七番札所の大渕寺からは徒歩20分の距離にあります。この地道は、穏やかな自然に囲まれているため、歩いて行くのは心地よい体験です。

前後の札所

橋立堂は、秩父札所の江戸巡礼古道に位置し、周辺には他の札所が存在します。具体的には、

• - 27 大渕寺 — (1.2km) — 28 橋立堂 — (1.8km) — 29 長泉院 という徒歩距離で、巡礼者にとって訪れやすい環境にあります。

参考文献

• - 安宅夏夫 文、西田信夫 写真『秩父三十四カ所めぐり（楽学ブックス 古寺巡礼4）』JTBパブリッシング、2008年
• - 小林祐一 著『秩父三十四カ所 札所めぐり 観音霊場巡礼ルートガイド』メイツ出版、2017年

関連項目

• - 橋立鍾乳洞

外部リンク

• - 28番 橋立堂 - 秩父札所 - 秩父札所連合会
• - 橋立堂「馬頭観音」 - 七観音霊場会

このように、橋立堂は歴史と文化が息づく場所であり、訪れる価値のある寺院です。

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