橘右之吉

橘 右之吉: 寄席文字・江戸文字の伝承者

橘右之吉（たちばな うのきち、本名：吉田 秀男、1950年1月23日生まれ）は、日本の寄席文字と江戸文字書家として高く評価されています。現在は寄席文字橘会の理事を務め、若手真打噺家たちとの交流も持ちながら、文化的な活動を続けています。

経歴の概要

右之吉は、16歳の際に橘流寄席文字の家元である橘右近に師事し、1969年には19歳で正式な一門の継承者として認められ、その際に「橘右之吉」という筆名が付与されました。特に注目すべきは、氏が考案したミニ千社札で、神社や寺院で見かけるそのデザインは、彼独自の象徴となっています。

また、近年では「消し札」という携帯ストラップが人気を集めており、このスタイルも右之吉が考案しました。これは柘植の板に漆で文字をあしらったもので、多くの人々に親しまれています。

家族と文化的活動

彼の生家は浅草に位置し、宝船熊手の製造販売を行っている「よし田」です。母である吉田啓子さんは熊手職人として知られ、妹の吉田京子さんも同様の職業についています。また、浅草の鷲神社での酉の市において、「よし田」で熊手を購入した人に対して、右之吉が直筆で名前を書いた名札をサービスで贈る取り組みも行われています。

右之吉は、長男の吉田真祐氏にも多大な影響を与えており、彼はドイツ語の通訳や翻訳を手がけ、特に海外公演においては通訳として右之吉をサポートしています。さらに、2009年には「橘右之吉因維納」というイベントを通じて、オーストリアでの展覧会や講演をプロデュースするなど、国際的な活動も展開しています。

展覧会や作品

2024年2月に開催される「高円寺演芸まつり」では、右之吉の寄席文字や江戸文字、さらに自身の色紙コレクションなどが展示される予定です。このように、彼の作品は多岐にわたり、国立劇場ポスターや多様な企業イベント、また公演の際の垂れ幕や行灯などとしても利用されています。

主要な作品一覧

• - 国立劇場および演芸場のポスター
• - 大江戸温泉物語のデザイン
• - デニーズジャパン新業態店舗「七福弁天庵」
• - 中村勘三郎丈と坂東三津五郎丈の襲名祝いの掛け行灯
• - 平成中村座ニューヨーク公演（2004, 2007）やベルリン公演（2008）

そのほかにも、橘右之吉は多くのメディアにもその作品を提供しており、週刊現代やNHKなど様々な場で取り上げられています。

人間関係と影響

橘右之吉の作品や活動には、多くの著名人も関与しています。例えば、中村勘三郎は彼から寄席文字を学び、また俳優の唐沢寿明は作品に際して消し札を依頼するといった交流があります。

右之吉は、今後も伝統文化の継承と新たな表現を追求し、多くの人々に感動を与えることでしょう。彼の多彩な作品は、日本の文化をより身近に感じさせてくれる重要な存在です。

もう一度検索