国立劇場

国立劇場について

国立劇場（こくりつげきじょう）は、東京都千代田区隼町に位置する日本の主要な劇場です。この劇場は独立行政法人日本芸術文化振興会によって運営され、1966年に本館がオープンしました。国立劇場は日本の伝統芸能の中心拠点として、歌舞伎や文楽、日本舞踊、邦楽、そして雅楽などの多彩な公演を行っています。また、伝統芸能を維持・発展させるための施設の貸付けや、若手の伝承者の育成も重視しています。

2003年には、国立劇場の裏手に伝統芸能情報館が開設され、より広くこの芸術を支える取り組みがなされています。毎年4月には、日本国際賞の授賞式も行われ、天皇や内閣総理大臣、衆参両議院の議長などが出席するなど、国の文化の象徴的な役割を担っています。さらに、公式キャラクターとして「くろごちゃん」が設けられ、親しみやすさを演出しています。

建て替え計画

国立劇場では、2023年10月から2029年秋にかけて建て替えを行うことが計画されています。この間は、新国立劇場や国立能楽堂、シアター1010、日本青年館ホールなどの他所を利用し、主催公演が行われる予定です。しかし、建て替えに関わる入札は度重なる不落札に見舞われており、再建計画は難航しています。2023年8月には、再整備のための入札条件変更が発表され、今後の動向が注目されています。

歴史

国立劇場の創設は1875年にさかのぼります。この年、光妙寺三郎が西園寺公望と議論し、国立劇場設立の必要性を提唱しました。その後、様々な提案や草案が試みられましたが、実現には長い年月がかかりました。1937年には衆議院を通過した建設趣意書もあったものの、戦時体制の影響や予算化の要望は、戦後に至るまで叶うことはありませんでした。

国立劇場の具体的な構想が進展したのは1950年代で、1956年に基本構想が答申されました。そして946案のコンペを経て、1966年に国立劇場が竣工しました。国立劇場法に基づいて設立された特殊法人は、2012年に日本芸術文化振興会と改称し、2023年現在は独立行政法人として活動を続けています。

施設と文化

国立劇場には、大劇場と小劇場があり、各種の日本の伝統芸能が多く演じられています。特に、大劇場では歌舞伎や日本舞踊が盛んで、小劇場では文楽や邦楽、雅楽など多様なパフォーマンスが行われています。

また、劇場の前庭は、桜の名所としても知られています。多様な品種の桜が植えられ、春には花見に訪れる観光客にとっても人気のスポットとなっています。特に、国立劇場のスルガコマチは、劇場由来の品種として特に注目を集めています。

アクセス

東京都内の交通手段も充実しており、東京メトロ半蔵門線の半蔵門駅や、有楽町線・南北線の永田町駅から徒歩圏内です。また、都営バスも利用可能で、便利なアクセスが確保されています。

結論

国立劇場は、日本の伝統文化を守り育てる重要な役割を果たしています。歴史と伝統が息づくこの場所は、これからも様々な世代に感動を与え続けるでしょう。

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