機会費用

機会費用とは

機会費用とは、ある選択肢を選ぶことによって失われる、他の選択肢から得られたであろう最大の利益のことです。限られた資源（時間、お金など）を有効活用するために、経済学において重要な概念とされています。例えば、大学進学の機会費用は、もし進学せずに働いていたら得られたであろう収入などが考えられます。

会計上の費用と経済学上の費用

会計上の費用は、実際にかかったお金（学費など）のみを指します。しかし、経済学上の費用は、会計上の費用に加えて、機会費用も考慮に入れます。そのため、経済学的な意思決定においては、会計上の費用だけでなく、機会費用も考慮することが重要になります。

機会損失との違い

機会費用と似た概念に機会損失がありますが、両者はニュアンスが異なります。機会費用は「ある選択をした」ことで生じる損失を意味するのに対し、機会損失は「ある行為を実行できなかった」ことで生じる損失を意味します。機会費用は積極的な概念、機会損失は消極的な概念と言えるでしょう。

機会費用の重要性

機会費用を考慮することで、より合理的な意思決定が可能になります。例えば、副業を始める際、会計上は収入が増えたとしても、そのために費やした時間で別の仕事をした場合の収入や、休息時間を削ったことによる心身への影響なども考慮する必要があります。もし、副業によって得られる収入が、他の選択肢を選んだ場合に得られる利益よりも少ない場合、経済学的には損をしていることになります。

実例

大学進学: 学費や生活費に加え、就業していれば得られたはずの収入が機会費用となります。
時間: 時間は有限な資源であり、あることに時間を使うということは、他のことに時間を使えなくなることを意味します。例えば、割引セールの列に並ぶ時間があれば、その時間で別の仕事をして収入を得ることも可能です。
ネットワークビジネス: 副業で収入が増加したとしても、費やした時間や労力に見合うだけの利益が得られているかを検討する必要があります。他のアルバイトや休息に費やす時間との比較が重要です。

まとめ

機会費用は、経済的な意思決定を行う上で欠かせない概念です。目に見える費用だけでなく、見えない費用（機会費用）も考慮することで、より合理的な選択をすることができます。常に、選択肢の背後にある機会費用を意識することが、賢い選択をするための第一歩となります。

関連項目

比較優位
トレードオフ
逸失利益

外部リンク

* 機会費用 - コトバンク

もう一度検索