機動戦士ガンダム MSV-R ザ・トラブルメーカーズ

『機動戦士ガンダム MSV-R ザ・トラブルメーカーズ』は、ジオン公国の元兵士たちのその後を描いた作品であり、メカニックデザイン企画『MSV-R』を基にしたフォトストーリー形式の物語です。この作品は雑誌「ガンダムエース」に連載され、アスキー・メディアワークスと公式ポータルサイト「GUNDAM.INFO」の共同企画として展開されました。小説自体は「GUNDAM.INFO」で連載され、ガンプラの作例は模型雑誌『電撃ホビーマガジン』にて掲載されています。

あらすじ

物語の舞台は一年戦争が終結した後。この戦争を生き延びた元ジオン兵、ディーン・ウエストは、相棒のマサ・オーカーや謎の美女マリー・マルタンと共に、モビルスーツを駆使して非合法な“仕事”に走る傭兵です。彼の目的は、オーナーであるカルロから購入したコロニー『アガルタ』の借金返済です。連邦軍のMS憲兵隊デイモン大尉との奇妙な関係もあり、彼はジオンの反乱兵士や不正を働く連邦軍の兵士に対抗しながら、金儲けに邁進します。

最初の計画では、沈没しユーコン級に隠された金塊を手に入れ、借金をなんとか返済しようとしますが、運悪く連邦軍から目をつけられてしまいます。ディーンの愛機、陸戦高機動型ザクは大破し、彼は仲間たちとともに懸命にこの困難な状況から脱出しようと奮闘します。

一方、コロニー『アガルタ』では新型コロニー風邪の流行が発生し、連邦政府の高官ドミニクが新たな製薬工場を建設する計画を進めていました。これにより、ディーンたちは不穏な状況に直面します。彼の直感でカルロに不信感を抱き、仲間と共に宇宙へと向かい、ドミニクの陰謀を暴く旅が始まります。

物語はディーンがドミニクに立ち向かうことでクライマックスを迎えます。最終的に、アガルタでの戦闘の後、ドミニクは降伏しますが、その代償としてアガルタ自体は崩壊してしまいます。ディーンはアガルタの住民たちのために新たに『アガルタII』を購入し、再度借金返済のために奔走することを決意します。

登場人物

- ディーン・ウエスト: 19歳のスペイン系スペースノイドの元ジオン兵。利益を追求しつつも、戦争中の殺人には極端に抵抗を持つ。金儲けのために仲間と共に行動する。
- マサ・オーカー: 25歳の日系スペースノイドの元ジオン兵で、冷静で判断力のある性格。ディーンの相棒で、経済的な依頼に関して敏感。
- マリー・マルタン: 素性不明の美女で、ディーンたちに武器や情報を提供する闇の商人。ハッキング能力に長けている。
- カルロ・サリード: サイド6のプライベートコロニーを持つ元ジオン軍人で、ディーンに対してさまざまな依頼を行う。
- デイモン・ケイスリー: 地球連邦軍の実直な大尉で、ディーンとの関係が複雑ながらも、彼の実力を認めている。
- ドミニク・アレスト: 地球連邦軍の高官で、コロニー風邪を利用した反スペースノイドの策謀を巡らせる。彼の行動が物語の大きな議題となる。

結論

『機動戦士ガンダム MSV-R ザ・トラブルメーカーズ』は、戦争終息後の「非合法な仕事」に従事する元兵士たちの物語であり、それぞれのキャラクターが持つ背景や信念が深く波乱に満ちたストーリーを織り成しています。彼らの奮闘を通じて、正義とは何か、また帰属意識とは何かといった問いが描かれています。

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