機動戦士ゼータガンダム1/2

『機動戦士ゼータガンダム1/2』の概要

『機動戦士ゼータガンダム1/2』（キドウセンシゼータガンダム ハーフ）は、著者の長谷川裕一が手掛けた日本の漫画で、お馴染みのアニメ『機動戦士Ζガンダム』の世界を舞台にした外伝作品です。この作品は、『ガンダムエース増刊 Ζガンダムエース』（角川書店）のVol.001からVol.003まで連載され、全3話と番外編1話からなります。

時代背景と設定

物語は宇宙世紀0087年のグリプス戦役が舞台で、元ティターンズのモビルスーツ（MS）パイロット、エドガー・エドモンド・スミスが主人公です。この作品のユニークな点は、シシリア・マディンという女性作家が宇宙世紀0137年に亡くなった後に見つかった「エドガー・エドモンド・スミスの日記」を題材にしていることです。しかし、この日記の真偽は不明であり、宇宙世紀0138年においてもその内容について意見が分かれ、「事実かフィクションか」という論争が続いています。これにより、本作に登場するMSやキャラクターの存在も疑わしいものとなっています。

この設定は、後に長谷川が描く『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』にも引き継がれ、宇宙世紀0153年では公式記録から抹消されるような存在として扱われています。

ストーリーとキャラクター

物語は、エドガーがティターンズから脱退した後、エゥーゴやカラバに所属し、ハーフゼータを駆る姿を中心に展開されます。エドガーは、宇宙での模擬戦で尊敬する先輩・カン・ウーに勝利することになりますが、その過程で心の葛藤や周囲の反発と向き合うことになります。他のキャラクターたちも奥深い背景を持っており、特にカン・ウーは一度戦争で家族を失ったことで戦争を憎むようになり、エドガーに勝利を譲る心を持つなど、物語に深みを与えています。

また、アムロ・レイの影武者たちの巧妙な策が描かれ、彼らも物語を一層面白くしています。

番外編とシシリア・マディン

単行本には、ウモン・サモンが主人公の書き下ろし番外編「宇宙一の無責任ティターンズ〜ウモン・サモンの日記〜」が収録されています。この番外編は本編の雰囲気を保ちながらも、異なる視点からの物語を提供しています。特に、シシリア・マディンの登場が印象的で、彼女のキャラクターは筋書きに不可欠です。彼女は妊娠しながらも恋人を戦場で探す母親としての強い一面を持つ女性です。

最後に

『機動戦士ゼータガンダム1/2』は、単に戦闘やメカニックの描写だけでなく、人間ドラマや心の葛藤が重視される作品です。読者は、エドガーや仲間たちの奮闘を通じて、戦争の持つ恐ろしさや、個人の選択がもたらす影響について深く考えさせられることでしょう。長谷川裕一の豊かな表現力とストーリーテリングが光るこの作品は、ガンダムファンにとって必読の一冊です。

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