機巧おちゃ麻呂

機巧おちゃ麻呂：古の機巧兵士、現代に蘇る

機巧おちゃ麻呂は、SNKの格闘ゲーム『サムライスピリッツ』シリーズに登場する異色のキャラクターです。その外見は、車輪付き台座に乗った機巧箱に日本人形が据え付けられたという、非常にユニークなもの。しかし、その出自は平安時代に遡る、由緒正しい（？）機巧兵士なのです。

平安の世から蘇った機巧兵士

おちゃ麻呂は、かつて魔界の勢力と戦うために作られた呪術の結晶、「機巧兵士」の最後の生き残りです。高名な陰陽師によって作られた機巧兵士は、京都の天閣座に奉納され、普段は平安の舞を伝える機巧人形として年に一度舞台に立ちます。しかし、魔界の脅威が迫ると、自我を持つ機巧兵士として目覚め、人知れず魔を調伏する役目を担っていました。

機巧兵士は高度な技術の結晶でしたが、その構造は非常に複雑で、増産はおろか修理すら困難でした。そのため、数は徐々に減少し、羅将神ミヅキを封印する戦いでは、法力僧と共に戦った機巧兵士のほとんどが失われてしまったのです。

永い眠りから覚めたおちゃ麻呂は、羅将神ミヅキの復活を察知し、再び封印するために出陣します。攻撃特化など様々なタイプが存在した機巧兵士の中で、おちゃ麻呂は汎用性に富んだ性能を持つとされ、公式ストーリーでは彼が残ったことを「ある意味、幸い」と表現しています。

奇抜な外見に隠された戦闘能力

おちゃ麻呂のキャラクターデザインは非常に個性的です。瞼を閉じたおかっぱ頭の日本人形に、機巧仕掛けの長大な両腕が伸びています。台座と本体は固定されておらず、ジャンプ時には機巧箱部分のみが浮遊するという、トリッキーな動きを見せます。着物は白、袴は紺色、羽織はエメラルドグリーンと、鮮やかな色彩も目を引きます。

武器は、両腕に持つ巨大な鉄扇「切鉄翁・裏鉄嫗」と、背部に搭載された巨大な歯車「黒鉄鋳造刃金焼入白銀歯車」です。鉄扇は攻撃だけでなく、口元を隠すなどの用途にも使用されます。歯車は武器飛ばし必殺技を食らうと外れてしまう、という弱点も持ち合わせています。

技の数々

おちゃ麻呂は、接近戦では発生の早い近距離立ち中斬りを軸に、中距離からは前進しつつ攻撃できる遠距離立ち中斬りやしゃがみ中斬りで攻めることができます。

必殺技は、派生技を豊富に持つ「都古舞 扇寿」が主力となります。この技から、「扇福」「小桜」「洸扇」の3種類の派生攻撃が可能で、さらにそこから6種類の派生攻撃に繋げることができます。その他、垂直ジャンプ攻撃の「天羽舞」や、投げ返し技の「泰山舞」、ユニークなコマンド投げ「傀儡回し」など、多彩な技を駆使して戦います。

武器飛ばし技の「獅子舞 鬼遣」は、日本人形部分が獅子舞の頭部に変形して突進する、ド派手な技です。秘奥義の「都古舞 秘奥 団扇楓」は、「都古舞」の動作を組み合わせた乱舞攻撃で、最後に「峯扇」で吹き飛ばします。

ストーリーにおけるおちゃ麻呂

おちゃ麻呂は、羅将神ミヅキを再び封印するために戦います。その過程で、ミヅキとの戦いに参加した法力僧の子孫である花諷院和狆や、かつての仲間たちに会いたいという思いから徳川慶寅、柳生十兵衛らと出会い、彼らの協力を得て仲間たちの復活に尽力します。

機巧おちゃ麻呂は、その奇抜な外見と、古の機巧兵士という背景、そして多彩な技の数々で、『サムライスピリッツ』の世界に独特な彩りを添えるキャラクターと言えるでしょう。

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