機神兵団

機神兵団

『機神兵団』は、山田正紀による日本のSF冒険小説で、1990年から1994年までの間に中央公論社C★NOVELSから全10巻が刊行されました。イラストはひろき真冬が担当し、作品は第26回星雲賞を受賞するなど高い評価を受けています。1999年には角川春樹事務所から新装版が文庫サイズで登場し、イラストは三浦均に変更されています。

あらすじ

物語は1937年、上海を舞台に展開されます。8月13日、日本軍上海陸戦隊が突如としてエイリアンに襲われます。この襲撃をなんとか退けることに成功したものの、残されたロボット兵士の残骸からは、自己増殖の能力を持つユニット「モジュール」が発見されます。この発見を受けて、列強各国はエイリアンのテクノロジーを用い、1930年代の戦争技術を融合させた巨大ロボット兵器『機神』の開発に成功します。

物語の背景には、第二次世界大戦前夜の時代があり、暗雲が立ち込める世界に突如もたらされた未知のテクノロジーによって、誰も予想しなかった新たな歴史が始まろうとしています。

書籍一覧

全10巻は以下の通りです：
1. 機神兵団 1《満州黎明篇》
2. 機神兵団 2《上海烈日篇》
3. 機神兵団 3《渤海基地殲滅作戦》
4. 機神兵団 4《バルカンの嵐》
5. 機神兵団 5《ナチス装甲騎士団》
6. 機神兵団 6《要塞都市》
7. 機神兵団 7《巨神の戦場》
8. 機神兵団 8《遙かなり敦煌》
9. 機神兵団 9《時間の涯》
10. 機神兵団 10《星に祈りを》

主な用語

機神兵団

日本陸軍参謀本部直属の独立部隊として設立され、アニメ版では多国連合組織として描かれることもあります。機神兵団は後にルッチェランドに侵攻するドイツ軍やナチス装甲騎士団との戦いに直面し、多くの団員が命を落とします。

エイリアン

「碑坊路事変」と呼ばれる事件から事態が展開し、エイリアンとの接触が始まります。エイリアンは、金属で覆われた姿を持ち、出現時には異様な外見が目撃されます。彼らとの戦闘によって、モジュールが人類に持ち込まれることになり、それが後の戦局を大きく変えていくことになります。

登場メカ

機神

エイリアンの技術を基にした戦闘ロボットで、雷神、竜神、風神の三体が主な機体です。それぞれが異なる特性と武装を持ち、時折機神兵団の運命を左右します。

主要登場人物

白蘭花

雷神の操縦士であり、馬賊としての過去を持ちます。優れた射手であり、機械に精通しています。

榊大作

竜神の操縦士で、元上海陸戦隊の兵士です。優しさと力強さを併せ持つ若者で、その成長も物語の鍵になります。

真澄公彦

風神の操縦士。貴族の家系出身でありながら、戦う姿勢を貫くキャラクターです。

この小説は、戦争やテクノロジー、友情について描かれた作品であり、複雑で深淵なストーリーが展開されます。作中のキャラクターたちは、様々な背景を持ちながら互いに支え合い、共に戦う姿が感動を呼びます。

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