機関車トービーのかつやく

機関車トービーのかつやく（汽車のえほん7）

『機関車トービーのかつやく（汽車のえほん7）』は、イギリスの著述家ウィルバート・オードリーによる児童向け絵本シリーズ「汽車のえほん」の第7巻にあたります。この本は1952年に発行され、トビーという機関車の魅力的な物語が展開されます。日本語訳は1974年にポプラ社から初めて出版されましたが、その後一時絶版となり、2005年には新装改訂版が登場し、その際には「機関車トビーのかつやく」というタイトルが付けられました。

概要と成立の背景

本書は特に低学年の子供たちに向けて書かれており、4つの短編ストーリーが収められています。オードリーは1945年から続編の執筆を始め、毎年新しい巻を発表してきました。この7巻には、オードリー自身とその息子クリストファーが見た実際の機関車からインスパイアされたという背景があります。オードリー牧師がグレート・ヤーマスで目撃した路面機関車がトビーのキャラクターを生み出すきっかけとなりました。この巻からは字が少し小さくなり、より多くの物語をページに収める工夫がなされています。

収録作品

本書には以下の4つの物語が収められています。

1. トビーとふとっちょの紳士（Toby and the Stout Gentleman）
2. トーマスとおまわりさん（Thomas in Trouble）
3. トビーとジェームス（Dirty Objects）
4. キンドリー夫人のクリスマス（Mrs. Kyndley's Christmas）

それぞれのストーリーは、友情や冒険、教訓などをテーマにした心温まる内容です。特にトビーの成長と成績が主な焦点となっています。

登場キャラクター

本書には、トビーを含むいくつかの重要なキャラクターが登場します。トビーはこの巻で初めて姿を見せ、そのモデルはイギリスのグレート・イースタン鉄道で用いられていたクラスJ70に基づいています。また、彼の客車のヘンリエッタも新たに登場しますが、こちらもオリジナルのボギー客車からダルビーによって独自のアレンジが施されています。

他にも、シリーズの人気キャラクターであるトーマスやパーシー、ジェームスも物語に含まれ、トビーとの出会いや関連するエピソードが展開されます。本巻では、それまで登場していなかった局長の家族も初めて描かれ、新たなエピソードがファンの注目を集めています。

絵とデザイン

本書の挿絵はレジナルド・ダルビーが担当しており、特に彼のスタイルが際立っています。通常とは異なり、背景に集中線を使ってジェームスの事故シーンを強調するなど、視覚的な工夫が随所に見られます。こうした絵は、子供たちが物語を楽しむ上でも重要な役割を果たしています。

まとめ

『機関車トービーのかつやく』は、子供たちにとって親しみやすいキャラクターと心温まる物語が詰まった一冊です。この作品を通じて、友情や冒険の大切さを学ぶことができるでしょう。オードリーのその他の作品や、関連する物語とのつながりを探求することも魅力の一つです。

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