櫓門

櫓門（やぐらもん）とは

櫓門は、城の重要な防御機構の一つであり、主にその上部に櫓を持つ門のことを指します。一般的に「二階門」とも呼ばれ、様々な形状や構造が存在しますが、主にはその独特なデザインによって城の美しさを引き立て、同時に防御機能を担います。

概要

櫓門の特徴として、長屋状の構造で、石の壁や掘られた石垣の上に建てられることがあげられます。これによって、石垣の上を利用して連絡通路や渡り廊下が形成され、城の内外をつなぐ重要な役割を果たしました。また、櫓門を構成する要素として、門の上に設置される櫓を「門櫓（もんやぐら）」と呼びます。特に、この門櫓が太鼓櫓を兼ねる場合は「太鼓門」と呼ばれ、通常の櫓門とは異なる意義があります。さらに、枡形門というのは、外側は平門、内側は櫓門という構成を持つ複合的な形態を指します。

形状

櫓門には大きく分けて「渡り型」と「楼門型」の二つの異なる形状があります。

渡り型

渡り型は、主に石垣の上に設けられたような形状をしており、他の構造物との間を橋のように渡る形になっています。このようなスタイルは、城の防御においてとても効果的で、郭との連絡通路としての役目も果たしています。勾配のついた石垣を利用するために、さまざまな形状の構造が施されており、特に三角形の部分が容易に形成される特徴があります。

楼門型

樓門型は、独立した形で立てられることが多く、柱をしっかりと配した二階建ての構造になっています。この形式の櫓門は、袖壁や階段室などの部屋が配置されていることが多いです。また、運用上、両脇には土塁が設けられ、この土塁によって門の視界や進入が制限されます。特に、この形式は東日本で多く見られる特色でもあります。

構造

櫓門は一般に1階部分に門を設け、2階部分に多門櫓を載せる形になります。これにより、城の防御力が一層強化されます。場合によっては、2重の門櫓を有する城もあり、そのような構造は防御戦略の一環として考えられています。構造的には、鏡柱の上に冠木があり、その上に二階の床梁や屋根へと続く構造が作られます。このようにして、櫓には庇や床板を動かすための機能が設けられ、石落としとしての役割も果たします。

まとめ

櫓門は、城の防衛において非常に重要な役割を果たすだけでなく、その独特な美しいデザインによって多くの人々に愛されています。また、城全般にわたりアートと機能を兼ね揃えた存在であり、その歴史的意義は今なお語り草となっています。

もう一度検索