櫟信平

櫟信平のプロフィールと経歴

櫟信平（いちいしんぺい）は、1925年6月26日に京都府京都市で生まれ、2008年6月10日に82歳でこの世を去りました。彼はプロ野球選手として内野手のポジションで活躍し、その後コーチやスカウトとしても名を馳せました。

大学時代の活躍

櫟選手は同志社大学を経てプロ野球の世界に入りました。大学時代には卓越した実力を示し、関西六大学リーグでは3年連続で首位打者の称号を獲得。これにより、彼はプロ入りを果たし、当時の大阪タイガースが彼の才能を高く評価していたこともありましたが、1949年には既に東急フライヤーズと契約していました。

プロ初出場と初安打

1949年4月6日、櫟はプロの舞台で初めてプレーしました。その試合は大映戦で、彼は6番の一塁手として出場。当初は期待されていましたが、初めての試合では思うような結果を残せず、9日には中日戦で杉下茂から初安打を記録したものの、その後の試合で本塁打が無効となるトラブルも経験しました。

大阪タイガースへの移籍

1950年になると、櫟は大阪タイガースに移籍しました。このシーズンでは自己最多の109試合に出場し、11本塁打を放つ活躍を見せました。特に守備の面では高い評価を受け、一塁手としての地位を確立しました。「ニセモノ！」という声が飛ぶほど、当時の巨人のスター選手、川上哲治と同じ背番号16を着用していた彼の存在は大きなものでした。

病気との闘い

しかし、1952年に胸部疾患が見つかり、東京の病院に入院。治療のためその年は出場がゼロとなり、1953年には現役生活を終えることになりました。妻との生活や他の仕事も見据えた引退でしたが、まだ若い年齢での引退は多くのファンにとってショックでした。

コーチ業やスカウトとしての道

引退後、櫟は大阪タイガースの一軍打撃コーチや二軍打撃・守備コーチを歴任し、特に1960年には現役に戻りたいという意欲を見せて打撃練習を行っていました。その後、スカウトとしても成功を収め、掛布雅之選手の獲得が大きな成果となりました。1974年には再びコーチに戻り、若い選手たちを指導しました。

晩年

阪神退団後は自身の靴店を銀座に開店。その後、1983年から近鉄バファローズのスカウトに就任し、野球界における彼の貢献は続きました。生涯を通じて野球に情熱を注いでいた櫟信平は、2008年に老衰により82歳で息を引き取りました。彼の業績は多くの後輩選手たちに引き継がれ、野球界における彼の功績は今もなお語り継がれています。

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