杉下茂

杉下茂について

杉下茂（すぎした しげる、1925年9月17日 - 2023年6月12日）は、東京都千代田区出身の著名なプロ野球選手。投手として1950年代に活躍し、「フォークボールの神様」という称号を持つ。彼は日本プロ野球史上初の本格的なフォークボールを駆使するピッチャーであり、球界には大きな影響を与えた。

プロ入り前

杉下の生まれ育った環境は、彼の野球への情熱を形成する重要な要素となった。父親は中華料理屋を営む一方で、野球好きでもあり、息子に野球の魅力を伝えた。杉下が小学校低学年のころ、兄とキャッチボールを始めたことでその道を歩み始める。以降、神田区の錦華小学校で野球を続け、帝京商業学校では4番・一塁手、として活躍した。彼は戦時中に軍に入隊し、野球の経験が功を奏して手榴弾投げの選手にも選ばれた。

戦後、杉下はいすゞ自動車に入社し、当時のチームで本格的に投手として活動を開始。都市対抗野球での成績を認められ、明治大学旧制専門部に進学。ここで天知監督からフォークボールの存在を教わるが、初めての試合で安打を打たれた影響で一時的に封印した。

プロ入りと活躍

1949年、中日ドラゴンズに入団し、注目の若手としてプロデビュー。初勝利を挙げ、徐々に頭角を現し始める。彼の投球スタイルは、フォークボールを「最後の切り札」とし、それを使う状況を厳選するものだったため、試合でフォークボールを投じる回数も限られていた。1940年代から1950年代の間に、杉下は6年連続で20勝以上を記録するなど、実力を発揮し、沢村栄治賞を3度受賞。その活躍は長嶋茂雄からも評価され、一世を風靡した。

1954年には32勝を挙げ、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率、最多完封といった成績を並べ、ついに投手五冠王にも輝いた。この年の日本シリーズでは、チームの優勝にも貢献し、シリーズMVPを獲得した。

監督業とその後

彼は1958年に選手兼任監督に就任し、その後も育成や指導にも力を入れた。様々な球団でコーチとしても活躍し、多くの投手を育成。特に、村田兆治へのフォークボールの指導は有名で、彼の投手コーチとしての姿勢や理念は多くの選手に影響を与えた。

晩年も現役引退後の投手指導に尽力し、2019年まで交流キャンプに参加。2023年に97歳でこの世を去るまで、プロ野球界に多大な貢献をした名投手は、球界の宝として語り継がれることでしょう。杉下茂の名声は、多くの忠実なファンによって永遠に記憶されることでしょう。

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