櫻田常久

桜田常久について

桜田常久（さくらだ つねひさ、1897年1月20日 - 1980年3月25日）は、日本の小説家であり、彼は並木宋之介という名でも知られています。彼は文学界において独自の地位を築き、さまざまなジャンルで才能を発揮しました。

生い立ちと学歴

大阪に生まれた桜田は、郡山中学校を卒業後、第四高等学校を経て1923年に東京帝国大学文学部独文科を卒業しました。在学中から彼は同人雑誌に参加し、自身の小説や戯曲を発表し始めました。学生時代には川端康成と同窓であり、また、彼の漢文教師は作家の中島敦の父でありました。

卒業後、桜田は東京大学で教鞭を執り、ドイツ戯曲の翻訳を手掛けるなど、文学および教育の分野で活動しました。彼の学問に対する情熱は多くの後進に影響を与えました。

文学活動と受賞歴

1932年からは、東京町田町に移り、半農生活を送りながら執筆活動を続けました。1936年には、仲間の作家たちと『作家精神』を創刊。この雑誌で彼の作品『平賀源内』が掲載され、1941年に芥川賞を受賞します。この短編小説は、平賀源内が実は生きているという架空の物語です。また、同じ雑誌に掲載された作品で、仲間の高木卓も芥川賞を受賞しましたが、その賞を辞退しています。

戦後は日本民主主義文学同盟に参加し、農地解放や農協運動に関与。共産党の町田議会議員や農地委員会の委員長を務めるなど、政治的にも活動的な一面を見せました。

創作活動の広がり

1954年には同人誌『現在』を創刊し、その主宰を務めました。彼の作品は、安藤昌益や葛飾北斎などの歴史的人物を題材にしたものが多く、時代小説や歴史小説の分野でもその名を馳せました。彼の著作は、国内外で幅広く読まれています。

主な著書

桜田常久の主な著書には、以下のようなものがあります：

• - 『独逸語入試問題解答』（1937年）
• - 『平賀源内』（1941年）
• - 『従軍タイピスト』（1941年、文芸奨励賞受賞）
• - 『探求者』（1946年）
• - 『安藤昌益』（1969年、全線賞受賞）
• - 『首なし被葬者の謎 私見・高松塚古墳』（1974年）
• - 『飛鳥文化と高句麗文化』

また、彼は翻訳者としても活躍し、『生と死の戯曲 死の舞踏』を仲間と共に訳しました。

桜田常久は、彼の独特な文体と主人公たちを通して、時代性や人間性を問い直す作品を書き続けました。その文学的な足跡は、今でも多くの読者によって愛され続けています。

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