櫻間道雄

櫻間道雄について

櫻間道雄（さくらま みちお、1897年9月14日 - 1983年5月27日）は、シテ方金春流に属する能楽師として知られています。彼は、能楽の重要な分野である「シテ」を演じる能力において卓越した才能を持ち、長い間日本の伝統芸能の発展に寄与してきました。

幼少期と師匠

櫻間道雄は、能楽の先達である櫻間林太郎の次男として生まれました。彼は幼い頃から父から直接指導を受け、その後、伯父の伴馬や従兄弟の金太郎（後に櫻間弓川としても知られる）からも学びました。道雄の芸道は早くから形成され、特に彼の舞台での存在感は周囲から高く評価されました。

初舞台と代表作

1914年、道雄は『忠度』で初めてシテを演じ、これが彼の舞台人生の始まりとなりました。その後、彼は『定家』『江口』『西行櫻』『道成寺』などの作品で特に知られるようになり、これらの演目を通じてその演技力を証明しました。彼の舞台は観衆を魅了し、能楽の伝統を未来へと継承する重要な役割を果たしました。

芸術活動と受賞歴

道雄の活動は評価され、彼は1960年度と1967年度の芸術祭で大賞を受賞しました。さらに、1969年度には芸術選奨文部大臣賞を受賞し、1970年には重要無形文化財の保持者として認定されました。このように、彼は日本の文化と伝統芸能を支える一翼を担っていたのです。

家族と後世への影響

道雄には、櫻間右陣という孫がおり、彼もまたシテ方金春流で活動しています。右陣は、重要無形文化財の総合認定保持者として、道雄の芸を今に受け継ぐ存在です。

著作物と映像作品

道雄の芸術的な考え方は、彼の著書『能・捨心の芸術』（1972年、朝日新聞社）によっても表現されています。また、彼は多くの映像作品にも出演しており、特に能楽名演集では『黒塚』や『葵上』などの演目が収められています。これらのDVDは、道雄の演技を観ることで彼の才能を味わう貴重な資料となっています。

まとめ

櫻間道雄の生涯は、能楽の発展と普及に大きく貢献したものといえます。彼の情熱と技術は、今も多くの人々に感動を与えています。能楽師としての道雄の歩みは、日本文化の重要な一部であり、後世の人々にも影響を与え続けています。彼の業績は、これからも日本の伝統芸能としての能楽の輝きを保つために重要なものとなるでしょう。

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