欧州品質改善システム

欧州品質改善システム（EQUIS）の概要

欧州品質改善システム（EQUIS）は、欧州経営開発財団（EFMD）が運営するビジネススクールの認証制度です。EFMDは、経営学教育の質向上に貢献することを目的とした非営利団体であり、EQUISはその主要な活動の一つとして位置づけられています。EQUIS認証は、ビジネススクールの教育プログラム、研究活動、そして組織運営の全体的な質を評価し、一定の基準を満たした機関にのみ付与されます。

EQUISは、世界中のビジネススクールから高い評価を得ており、その認証は質の高い教育機関の証として広く認知されています。2023年11月現在、世界40カ国以上、215以上のビジネススクールがEQUIS認証を取得しています。この数は、EQUISが世界的な規模と影響力を持つ認証制度であることを示しています。

EQUISとEPAS

EFMDは、EQUISに加えて、EPAS（EFMD Programme Accreditation System）という認証制度も運営しています。EQUISがビジネススクール全体を対象とするのに対し、EPASは特定の教育プログラムを対象としています。そのため、EQUIS認証を取得しているビジネススクールであっても、すべてのプログラムがEPAS認証を取得しているとは限りません。それぞれの認証制度が対象とする範囲の違いを理解することが重要です。

3大アクレディテーションとトリプルクラウン

EQUISは、AMBA（Association of MBAs）とAACSB（Association to Advance Collegiate Schools of Business）とともに、ビジネススクールの3大アクレディテーション機関を構成しています。これらの3つの認証をすべて取得したビジネススクールは「トリプルクラウン校」と呼ばれ、世界最高レベルのビジネススクールとして広く認められています。トリプルクラウン校への認定は、そのビジネススクールの高い教育水準と国際的な評価の高さを示す、非常に名誉ある称号です。

EQUISの歴史

EQUISは1997年にGordon Shentonによって設立されました。以来、世界中のビジネススクールの質向上に貢献し、現在では理事長Michael Osbaldestonのもと、世界規模での活動を展開しています。過去17年間で149の施設、40カ国において事業を行い、その影響力はますます拡大しています。

アジア太平洋地区、特に日本の状況

アジア太平洋地域においても、多くのビジネススクールがEQUIS認証を取得しています。日本においては、いくつかのビジネススクールがEQUIS認証を取得していましたが、慶應義塾大学ビジネススクールの認証は失効しています。一方、EPAS認証に関しては、明治大学ビジネススクールが2018年に初めて取得しました。これは、日本のビジネススクールにおける質向上に向けた取り組みが着実に進んでいることを示しています。

類似の組織

EQUISと同様に、ビジネススクールの質を評価する認証機関として、AMBAとAACSBが挙げられます。AMBAはMBAプログラムに特化しており、AACSBは幅広いビジネス教育プログラムを対象としています。これらの機関は、それぞれ独自の基準に基づいて評価を行い、認証を付与しています。

まとめ

EQUISは、ビジネススクールの質を保証する信頼性の高い認証制度です。世界的な認知度と影響力を持ち、その認証は高い教育水準の証として広く認められています。日本においても、EQUISやEPAS認証取得を目指すビジネススクールが増えており、今後の日本のビジネス教育の質向上に大きく貢献することが期待されます。 EQUIS認証取得は、ビジネススクールにとって国際的な競争力を高める上で非常に重要な要素であり、学生にとっても質の高い教育を受けるための指標となっています。

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