欧州連合官報

欧州連合官報 (EU官報) について

欧州連合官報は、EUが発行する公式の出版物で、正式名称は「The Official Journal of the European Union」（略称：OJ）です。この官報は、EUの法令や通知を多言語で提供しており、すべてのEU公用語（24言語）で利用可能です。土日祝日を除き、毎日発行されています。特に、2013年7月1日以降は、EUによって公布された法令の中で、電子版（e-OJ）に掲載されたものだけが公式に認められるようになりました。

歴史

EU官報の起源は、欧州石炭鉄鋼共同体官報（ECSC官報）や、欧州共同体官報（EC官報）に遡ります。ECSC官報は1952年から1965年まで、EC官報は1958年から2003年まで発行されていました。1993年に発効したマーストリヒト条約によってECからEUに移行した後も、2003年に発効したニース条約まではEC官報という名称が使用されていました。こうした歴史的背景を持つEU官報は、今やEU内の法的承認や情報伝達において欠かせない存在となっています。

EU官報の構成

EU官報は、主に法令編（Lシリーズ）と告示編（Cシリーズ）から構成されています。法令編には法的拘束力を有する文書が掲載され、次のような区分があります：

• - L I：EU法に分類される規則、指令、決定などが含まれる。
• - L II：国際条約や勧告、ガイドラインなど立法を経ない文書。
• - L III：欧州経済領域（EEA）に関連する法令。
• - L IV：リスボン条約以前に採択された法令。

告示編には、法的拘束力のない意見書や勧告、共同宣言などが含まれます。

• - C I：仲裁や法的拘束力のない意見書。
• - C II：内部合意や共同宣言。
• - C III：法案や政策目標といった予備資料。
• - C IV：通知および職員募集などの情報。

さらに、政府調達情報はS系列として別途記載されており、附録として扱われています。

参照番号体系

EU官報に掲載される文書は、それぞれ特定の参照番号が付与されています。これには「OJ L 011I」（単発のEU法001番）や「OJ C 019A」（法的拘束力のない附属文書019番）などの形式が用いられています。また、欧州連合官報を掲載しているウェブサイト「EUR-Lex」ではCELEX番号という独自の番号体系も存在します。

現在と未来

EU官報は、1999年に紙媒体から電子媒体へと移行し、それに伴いCEシリーズという名称も一時的に使用されましたが、2014年には新しい発行形式を確立しました。現在、電子版はEUR-Lex上で無償でアクセス可能であり、EUに関する情報収集の重要な手段となっています。EB官報は今後もEU内部のコミュニケーションや法令の周知徹底に寄与し続けることでしょう。

関連項目

• - 官報の一覧：各国政府の官報を一覧形式で紹介しています。

EU官報は、欧州連合の法的プロセスを理解する上で非常に有用な資料であり、EUに関連するあらゆる情報を求める人々にとって欠かせない存在です。

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