歌の中には不自由がない

「歌の中には不自由がない」（うたのなかにはふじゆうがない）は、日本のシンガーソングライターであるASKAが発表した楽曲です。

この楽曲は、2012年1月21日に配信シングルとして世に送り出されました。配信元はユニバーサル シグマです。ASKAはこれまで、「いま歌う」と題して昭和の名曲をカバーした作品を配信限定でリリースしてきましたが、オリジナル作品を配信のみで発表するのは本作が初めてという点で特筆されます。

楽曲の配信開始日は、ASKAが日本武道館にて2日間にわたり開催したコンサートツアー『ASKA CONCERT 2012 昭和が見ていたクリスマス!? Prelude to The Bookend』の初日にあたります。公式サイトでは、事前の予告なくこの楽曲の配信開始が告知され、ファンにとってはサプライズでのリリースとなりました。

作詞・作曲はASKA自身が手掛け、編曲はASKAと旭純が共同で行っています。楽曲の歌詞に込められたテーマについて、制作者は「今、自分たちが知らされているのは表面的なことで、裏ではどうしようもない事情が絡みながら進んでいっている。僕らはそれを知りながらも、受け止めて進んでいくしかない」という状況認識に基づいていると述べています。これは、現代社会において表層的な情報しか得られず、その裏側で複雑な現実が進行している状況を描写し、そうした困難を受け入れつつも前に進むことの必要性を歌い上げたものです。楽曲の制作にあたっては、「裏側」を主題とし、イメージを「マックスからミニマムまで」と広範に捉えたとしています。

「歌の中には不自由がない」は、リリース日当日に日本武道館で行われたコンサート本編でも披露されました。このパフォーマンスの模様は、後にリリースされたLive Blu-ray Discや、配信限定で提供されたライブ・アルバムによって追体験することが可能です。

配信から約9ヶ月を経た同年10月には、ASKAのオリジナル・アルバム『SCRAMBLE』に収録され、満を持してCDとしてもリリースされました。アルバムのBlu-ray版には、本楽曲のミュージックビデオも特典映像として収められています。

楽曲の詳細な背景や制作秘話については、ファンクラブの会報誌であるTUG OF C&Aの10月号でも解説が掲載されました。この楽曲は、ASKAにとって新たなリリースの形を切り開いた作品であり、その後の活動においても重要な位置を占めています。

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