歌まね振りまねスターに挑戦!!

スターに挑戦!!シリーズ：13年間愛された歌謡バラエティ番組

1973年4月から1986年3月まで、日本テレビ系列で放送された人気歌謡バラエティ番組『スターに挑戦!!』シリーズ。その歴史、魅力、そして印象的なエピソードについて詳しく見ていきましょう。シリーズの看板番組『歌まね振りまね スターに挑戦!!』（1981年10月～1985年9月放送）を中心に、その前身番組『（シャボン玉）歌まね合戦 スターに挑戦!!』、後番組『全日本歌まね選手権』についても解説します。

横山やすし・西川きよしが仕切る熱狂のステージ

番組は、横山やすし・西川きよしを司会に迎え、一般参加者とプロ歌手が歌まね・振りまねで競い合うという、シンプルながらも白熱した内容でした。アシスタントの「カワイコちゃん」が観客審査員を選出。一般審査員とプロ審査員（徳久広司、中山大三郎、堺すすむ、山口あかり、横森良造など）の合計点で勝敗が決まりました。審査方法は時期によって変更があり、前期は一般審査員9名×1点、プロ審査員5名×2点の合計19点制でしたが、後期は一般審査員25名×2点、プロ審査員5名×10点の合計100点制へと変更されました。引き分けの場合は、最初はジャンケン、後に一般審査員の得点で決着がつけられました。

魅力的な賞品と独自の審査システム

優勝者にはトロフィーと賞金3万円（完封勝利の場合は19万円）、副賞として18金ダイヤモンドペンダントが贈られました。また、番組後期には堺すすむによる独断と偏見で決まる海外旅行（タイ・パタヤビーチ）という豪華賞品も登場しました。敗者にも1万円の残念賞（後に日光彫こけしが贈られることも）と、出場者全員にスポンサーからの参加賞が用意されていました。さらに、5回優勝した芸能人にはローランド製の電子ピアノ「ピアノプラス」が贈られる「ゴールデン歌まね賞」もありました。毎週のチャンピオンは賞金5万円を獲得し、グランドチャンピオン大会への出場権を得ることができました。一方、敗者の中から最も熱演を披露した参加者には「熱演賞」が贈られました。

多様な対戦形式と熱演賞の選出方法

番組には大きく分けて3つの対戦形式がありました。

1. 通常対戦: 3人の参加者が4人のゲストの中から1曲を選び、歌まね・振りまねを披露。選ばれなかったゲストが熱演賞の選出を担当しました。
2. ○○特集: ゲストの一人（美空ひばりなど大物歌手）の持ち歌を3人の参加者が歌い、そのゲストが熱演賞選出を担当しました。
3. 3本勝負: ゲスト1人が3人の一般参加者と対戦。残りの3人のゲストが熱演賞選出を担当しました。また、年に1～2回開催されるお笑い大会では、コメディアン3組とゲスト歌手3組が対戦し、ゲスト歌手が熱演賞を選出しました。

印象的な演出と音楽

番組では、電光掲示板による得点表示、やすきよによる独特の採点コール「（一般）また（プロの先生）の方、1・2・3! （ワン・ツ・スリー！）」、一般審査員が着用していた黄色のサンバイザーなど、視聴者の記憶に残る演出が数多くありました。音楽面では、オープニングテーマに童謡「桃太郎」の替え歌を使用。エンディングテーマは若手女性演歌歌手が担当し、番組オリジナル曲も多く制作されました。演奏は「高橋達也と東京ユニオン」が担当し、福留功男アナウンサーが番組開始から終了までナレーションを務めました。

番組の終焉と13年間の歴史

1985年10月、『全日本歌まね選手権』にタイトルを変更。しかし、きよしの参議院議員選挙出馬を機に、1986年3月、13年の歴史に幕を閉じました。

参加賞とスポンサー

参加賞は、牛乳石鹸の一社提供時代（1973年10月～）から最終回まで「牛乳石鹸製品詰め合わせ」が贈られました。内容は時期によって変化しましたが、石鹸は不変で、ヘアケア製品は「牛乳ブランド」から「シャワラン」ブランドへと移行していきました。

忘れられないエピソード

番組の得点表示電光掲示板の数字フォントや、番組オープニング写真における番組名表記のミス、素人時代の松居直美の参加、海外旅行プレゼントの選出方法、やすきよの出演回における息子の代役司会など、数々の興味深いエピソードが残されています。また、牛乳石鹸一社提供時代には「乳牛の鳴き声」が廃止されたことも特筆されます。

番組の遺産

『スターに挑戦!!』シリーズは、長きに渡り人々に歌と笑いを届けた人気番組でした。その影響は、後続番組や歌謡番組全体にも及んでいると言えるでしょう。番組が生み出した数々の思い出は、今も多くの人々の心の中に生き続けています。

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