歌川芳広 (一張斎)

歌川芳広（1838年 - 1884年）は、江戸時代後期から明治時代にかけて活躍した浮世絵師であり、職人としても知られています。

出自と師事

芳広は天保9年（1838年）に生まれ、本姓は伊藤、俗称は重兵衛といいました。歌川国芳に入門し、その門下で浮世絵の技術を磨きました。幼名は芳麿と称しました。

初期の活動と才能

浅草山谷で生まれ、鳶職佐野屋の養子となった芳広は、幼い頃から絵を好んで描いていたといいます。13歳の時に国芳に入門し、その才能を開花させました。特に、祭礼で使用される大行燈に絵を描き、その出来栄えが評判になったという逸話が残っています。

国芳没後の活動

芳広の作画期は嘉永から明治にかけてですが、師である国芳の没後は上絵職を専業とし、友禅模様を描いていたと伝えられています。しかし、現在までに芳広による友禅模様の作品は確認されていません。

人物と評価

歌川芳広は47歳で亡くなりました。法名は真誉誠念居士。


参考文献

井上和雄 『浮世絵師伝』 渡辺版画店、1931年
日本浮世絵協会編 『原色浮世絵第百科事典』（第2巻） 大修館書店、1982年

もう一度検索