正力松太郎賞

正力松太郎賞とは

正力松太郎賞（しょうりきまつたろうしょう）は、日本のプロ野球界において、その年に特に顕著な貢献を果たした人物を対象に贈られる賞です。通称である「正力賞」は、主に監督やコーチ、選手、審判など、プロ野球の発展に寄与した方々に与えられます。そして、表彰される受賞者には、金メダルとともに賞金が授与され、通常の賞金は500万円、特別賞の場合は300万円です。これらの賞金は、読売新聞社と日本テレビから提供されています。

創設の背景

この賞は1977年に創設されました。日本プロ野球の創設に寄与した大日本東京野球倶楽部（現在の読売ジャイアンツ）の創始者である正力松太郎の業績を称えるために設立されたものです。正力松太郎は、読売新聞社の社主として日本プロ野球の発展を支えた立役者であり、この賞はその功績を永く伝えるための象徴とされています。

正力賞は、NPB（日本プロ野球機構）全体を対象とする特別賞であり、リーグごとの公式の表彰項目ではありません。このため、受賞者は日本シリーズでの勝者チームの監督が選ばれることが多いのですが、これは必ずしも定義されているわけではありません。

選考基準

受賞者の選考は、シーズン終了後に行われる「正力松太郎賞選考委員会」によって行われます。この委員会は、日本プロ野球コミッショナーから委託されており、現在のメンバーには王貞治（委員長）、山本浩二、門田隆将、高田繁、辻発彦が名を連ねています。彼らの評価と審議を経て、年間最も貢献した人物が選ばれます。

歴史と受賞者の傾向

正力松太郎賞の受賞者には多くの選手や監督がおり、その中でも工藤公康が最多の5回を誇ります。続いて王貞治が4回受賞しており、選手と指導者として両方の側面で受賞したのは、工藤、公康、そして秋山幸二の3人です。特に注目に値するのは、チーム別の受賞回数です。ソフトバンクは南海・ダイエーを含めた11回の受賞があり、これが最も多い記録となっています。

また、2016年には、北海道日本ハムの監督であった栗山英樹が受賞したことにより、現存する12球団すべてと、制定当時に存在していた近鉄の計13球団から受賞者が出揃ったことになります。過去には、「来日外国人選手が受賞できない」という考えがあったものの、2017年にはデニス・サファテが受賞したことでその流れが変化しています。

2023年の受賞者

特に2023年は注目される年であり、栗山英樹監督がWBC日本代表として優勝を果たしたにもかかわらず、日本一に導いた阪神タイガースの岡田彰布が受賞しました。このように、正力松太郎賞は年ごとに受賞者が変わり、その背景にさまざまなドラマや歴史が詰まっています。

まとめ

正力松太郎賞は、日本のプロ野球における重要な賞であり、その意義は単に賞金や表彰に留まりません。受賞者の背景やその年のプロ野球における出来事は、賞の価値を更に深くしています。これからも、この賞が意義深く存在し続け、プロ野球界の人々にとっての目標となることが期待されています。

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