正四尺玉

正四尺玉（しょうよんしゃくだま）

正四尺玉は、直径がおよそ4尺（約120cm）もある、日本を代表する巨大な打上花火の一種です。特に、新潟県小千谷市片貝町で開催される「片貝まつり」で打ち上げられる正四尺玉は、その圧倒的なスケールで知られています。本記事では、正四尺玉に関する詳細な情報、そして花火のギネス世界記録について解説します。

概要

片貝まつりの四尺玉は、打ち上げ高度約800m、開花直径約800mにも達します。花火玉自体の直径は約120cm、重量は約420kg。打ち上げに使用される煙火筒は、高さ5.2m、厚さ1.8cmの鋼鉄製という巨大なものです。

1985年9月10日、片貝まつりにおいて、永遠会（小千谷市立片貝中学校第18回卒業生同窓会）が奉納した正四尺玉が、片貝煙火工業の花火師・本田善治によって打ち上げに成功しました。この成功により、「世界最大の打上花火」としてギネス世界記録に登録され、以来、正四尺玉の打ち上げは片貝まつりの名物となっています。現在では、二日間で「昇天銀竜黄金すだれ小割浮模様」と「昇天銀竜黄金千輪二段咲き」という二種類の四尺玉花火が打ち上げられています。

その後、1988年には、アルプス煙火工業が北海道洞爺湖にて水中花火の四尺六寸玉（重量約700kg、開花直径約1200m）の開発に成功。翌年には「世界最大の花火」としてギネス世界記録に登録されました。2013年には、埼玉県鴻巣市で開催された「第12回こうのす花火大会」でアルプス煙火工業が四尺玉の打ち上げに成功。さらに2014年の「第13回こうのす花火大会」では、花火玉の重量464.826kgが「世界で最も重い打上げ花火」としてギネス世界記録に登録されました。

このように、四尺玉に関するギネス世界記録は、これまで「世界最大の打上花火」「世界最大の花火」「世界で最も重い打上げ花火」の3つが認定されていました。しかし、2017年12月31日、アメリカの「Fireworks By Grucci」が「世界最大の花火」のギネス記録に挑戦し、直径約142cm、重量997kgという記録を打ち立て、日本の記録を更新しました。2021年現在のギネス記録は、2020年2月8日にコロラド州で打ち上げられた、直径157.5cm、重さ1271kgの花火です。

歴史

正四尺玉、四尺玉の打ち上げと、それに関連する出来事の歴史を以下にまとめます。

1982年9月：片貝まつりで永遠会が三尺三寸玉の打ち上げに成功。
1983年8月：長岡まつりで三尺五寸玉（火薬量120kg）の打ち上げに成功。
1984年：朗志会が正四尺玉の打ち上げを決定。7月に試し打ちに成功するも、9月の本番では失敗。しかし、この一連の活動が評価され、サントリー地域文化賞を受賞。その後、旧通産省により最大火薬量が80kgに制限される。
1985年9月10日：片貝まつりで永遠会が正四尺玉（火薬量80kg）の打ち上げに初成功。「世界最大の打上花火」としてギネス認定。
1988年：アルプス煙火工業が洞爺湖で四尺六寸玉（重量約700kg、開花直径約1200m）の開発に成功。
1989年：アルプス煙火工業が開発した四尺六寸玉が「世界最大の花火」としてギネス登録。
1993年5月20日：正四尺玉等の打ち上げ成功者である本田善治が死去。
1998年9月：片貝まつりで正四尺玉が2発打ち上げられるも失敗。1発は車道に落下し粉砕、もう1発は畑に落下し原形を留めていたため、火薬を抜いた上で片貝製作所の歴史資料館に保存。
2001年：片貝まつりで、正四尺玉2発、三尺玉10発の過去最多の大玉の打ち上げに成功。
2003年：NHK連続テレビ小説『こころ』のロケ地となり、片貝まつりで打ち上げられた正四尺玉が登場。
2007年9月30日：テレビ番組「世界の果てまでイッテQ！」で四尺三寸玉「四尺三寸大千輪」に挑戦するも失敗。
2010年：片貝町を舞台とした日本映画『おにいちゃんのハナビ』が製作され、片貝まつりで打ち上げられた正四尺玉が登場。
2013年10月12日：「第12回こうのす花火大会」でアルプス煙火工業が四尺玉の打ち上げに成功。
2014年10月11日：「第13回こうのす花火大会」でアルプス煙火工業が四尺玉の打ち上げに再び成功。「世界で最も重い打上げ花火」としてギネス登録。
2017年12月31日：アメリカの「Fireworks By Grucci」が「世界最大の花火」のギネス記録を更新。

関連項目

本田善治：正四尺玉等の打ち上げ成功者。
世界一の一覧#その他
片貝まつり
長岡まつり#大花火大会
こうのす花火大会

外部リンク

片貝まつり - 小千谷市商工観光課
こうのす花火大会
(有)片貝煙火工業
アルプス煙火工業(株)

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