正始 (北燕)

正始（せいし）は、五胡十六国時代に存在した北燕（ほくえん）の君主、高雲（こううん）（慕容雲（ぼよううん）とも）の治世において使用された元号です。その期間は407年7月から409年10月までとされています。

高雲は、北燕の君主として一般的に認識されていますが、歴史研究においては、彼を後燕（こうえん）の最後の君主と見なす説も存在します。これは、高雲の出自や即位の経緯、そして当時の政治情勢が複雑に絡み合っているためです。

正始の期間は短いながらも、五胡十六国という激動の時代の一つの断面を映し出しています。この時代は、北方民族の侵入と定住、そして漢民族の王朝との興亡が繰り返された時代であり、正始という元号も、そのような歴史の流れの中で生まれ、消えていきました。

以下に、正始と西暦、干支との対照表を示します。


この表から、正始の3年間が、西暦の407年から409年に相当し、干支では丁未、戊申、己酉であることがわかります。

参考文献としては、李崇智氏の『中国歴代年号考』（中華書局、2004年）が挙げられます。この文献は、中国の歴代元号について詳細な情報を提供しており、正始についても深く掘り下げています。

また、正始という元号は、他の王朝でも使用例が見られます。そのため、北燕の正始について調べる際には、他の王朝の正始と混同しないように注意が必要です。

五胡十六国時代の歴史は複雑であり、元号一つを取っても様々な解釈が存在します。正始についても、研究者の間で見解が分かれる部分もありますが、この元号が使用された背景や時代状況を理解することで、当時の歴史をより深く知ることができるでしょう。

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