正法寺 (三木市)

正法寺（しょうぼうじ）

正法寺は、兵庫県三木市別所町に位置する高野山真言宗の仏教寺院です。山号は鉾礼山（むれいざん）であり、本尊には十一面千手観音菩薩が祀られています。この寺院は、仏教の教えを広める場として、また地域の信仰の拠点として多くの人々に親しまれています。

歴史

正法寺は、法道仙人によって大化5年（649年）に創建されました。この時期から寺院は信仰の場として発展を遂げ、天禄年間（970〜972年）には円融天皇の勅願道場としても知られるようになりました。最盛期には7院12坊にまで成長しましたが、その後の歴史の中で衰退を迎えます。しかし、奥蓮上人の尽力によって、3院7坊の規模で中興が再建されました。

その後、1580年に発生した三木合戦において羽柴秀吉の軍による攻撃を受け、正法寺は焼失してしまいます。1583年には快秀上人により3院3坊が再建され、さらに1611年には長勢上人が大師堂と開山堂を、翌年には本坊である金剛院を再建します。このように、正法寺の歴史は幾度となく再建と復興を繰り返してきました。

元和元年（1615年）には、明石城主小笠原忠政から20石の石高を寄進され、また慶安元年（1648年）には徳川家光から御朱印を賜っています。この御朱印は以後も歴代の将軍から授与され続けました。江戸時代末期まで、金剛院、真如院、大乗院が存在し続けましたが、明治維新の廃仏毀釈の影響で約20年間、寺院は無住の状態に陥り、荒れ果ててしまいました。

明治22年（1889年）には、石野大秀の指導のもと復興が進められ、金剛院が修復されました。大正13年（1924年）には金剛院の境内に山門が建立されるなど、少しずつ寺院の景観が整えられていきました。しかし、昭和48年（1973年）には台風や老朽化の影響により本堂が倒壊し、その後再建されることなく現在に至ります。平成元年（1989年）には開創1340年と近代復興100年を記念して、境内に曼荼羅の丘が建設され、新しい文化財として訪れる人々を迎えています。

主な建物と境内

正法寺の境内には多くの重要な建物が存在しています。中でも金剛院、大師堂、山門、曼荼羅の丘、そして護摩祈願所は訪れる際にぜひ見ておきたいスポットです。また、白寿観音（延命・ぼけ封じ）や平成観音もあり、信仰の対象として多くの人々に親しまれています。

アクセス

正法寺へのアクセスは、加古川線の厄神駅から徒歩で約60分かかります。周辺には美嚢川や、当寺の所在地である正法寺山頂上には三木中継局が位置しています。

このように正法寺は、歴史ある仏教寺院として多くの訪問者に恩恵を与え続け、その豊かな文化と信仰の深さが感じられる場所となっています。

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