正津勉

正津勉：詩と評伝の交差路を歩む文学者

正津勉（しょうづ べん）は、1945年9月27日に福井県大野市で生まれました。詩人としての活動を軸に、評論、伝記の分野でもその才能を発揮しています。同志社大学文学部社会学科を卒業後、同大学在学中から詩作活動を開始。

詩人としての出発と海外経験

大学時代には、詩人の清水昶と共に詩誌『首』を創刊し、詩壇に足跡を残し始めました。1981年には、ミシガン州オークランド大学に客員詩人として招かれ、海外での経験を積んでいます。この経験は、彼の詩の世界観に多大な影響を与えたと考えられます。また、1991年には湾岸戦争時に『鳩よ！』という詩に対して批判的な立場を示しました。

多岐にわたる文学活動

2002年には、「遊山」で第10回萩原朔太郎賞の候補となり、その詩人としての評価を確かなものとしました。近年では、伝記小説にも力を入れており、詩作の傍ら、歴史上の人物や文学者の生涯を深く掘り下げています。著作活動は多岐に渡り、詩集、評論集、小説、編纂など、様々なジャンルで作品を発表しています。

家族と映像作品への関わり

正津勉の娘は映画監督の中村真夕であり、彼女の作品『ハリヨの夏』など、映像の世界にも影響を与えています。

主な著書

正津勉の著書は、詩集から評論、伝記、編纂まで幅広いジャンルに及びます。以下に代表的な著書をいくつか紹介します。

『惨事 正津べん詩集』 (1972年)
『二人一集 散華詩篇・現形図鑑』 (1974年)
『雪国の暮らし』(1976年)
『青空』 (1979年)
『おやすみスプーン 詩集』(1981年)
『正津勉詩集』(1982年)
『エヴァ』 (1983年)
『死ノ歌』 (1985年)
『冬の旅』 (1988年)
『ビートルズ 世界をゆるがした少年たち』 (1989年)
『暦物語』 (1989年)
『またの日の夢物語 詩集』(1992年)
『笑う男』 (1995年)
『笑いかわせみ』(2001年)
『詩人の愛 百年の恋、五〇人の詩』 (2002年)
『遊山』 (2002年)
『刹那の恋、永遠の愛 相聞句歌40章』 (2003年)
『人はなぜ山を詠うのか』(2004年)
『脱力の人』 (2005年)
『行き暮れて、山。』(2006年)
『小説尾形亀之助 窮死詩人伝』 (2007年)
『河童芋銭 小説小川芋銭』 (2008年)
『嬉遊曲』(2008年)
『山川草木』(2009年)
『忘れられた俳人　河東碧梧桐』(2012年)

編纂

『心にひびく恋のうた愛のうた』(2006年)
『白い乳房黒い乳房 地球をむすぶ72のラブ・メッセージ』(2009年)

テレビ出演

西部邁ゼミナール（TOKYO MX）

関連人物

つげ義春

外部リンク

正津勉ゼミ


正津勉の作品は、日常に潜む美しさや人間の感情の機微を繊細に描き出し、読者の心に深く響きます。詩人としての活動だけでなく、評論家、伝記作家としての側面も併せ持ち、多角的な視点から文学の世界を切り開いています。彼の作品は、文学を愛する人々にとって、欠かすことのできない存在となっています。

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