正義の神

セルビア国歌「正義の神」について

「正義の神」（セルビア語: Боже правде / Bože pravde）は、セルビアの国歌として知られています。元々は1872年にセルビア王国の国歌として、ダヴォリン・イェンコが作曲し、ヨヴァン・ジョルジェヴィチが作詞しました。この歌は、セルビアの歴史的な変遷を経て、歌詞の一部が修正されながらも、セルビア国民の心の支えとして歌い継がれています。

歴史的背景

この歌は、セルビア王国の国歌として誕生し、当初はセルビア王を称える内容でした。しかし、セルビアの政治体制の変化に伴い、歌詞も修正されました。特に、スルプスカ共和国では元の歌詞が保持されましたが、セルビアでは「セルビアの王」から「セルビアの地」へ、「神はセルビアの王を救う」から「神は救い、神は護る」へと変更が加えられました。これらの変更は、セルビアの新たな政治体制と国民の願いを反映したものです。

歌詞の内容と意味

「正義の神」の歌詞は、セルビアの歴史、文化、そして国民の精神を深く反映しています。以下に、日本語訳された歌詞の内容を解説します。

1. 第一節：神への感謝と救済の祈りが込められています。過去の苦難からの解放と、未来への希望が歌われています。
2. 第二節：セルビア兄弟の団結の重要性が強調されています。団結こそが敵を打ち破り、セルビアを最強の砦とすると歌っています。
3. 第三節：神の加護を求め、セルビアの国土と国民への祝福を祈っています。困難な時には勝利へと導いてくれるよう願っています。
4. 第四節：セルビアの栄光と新たな時代の到来を祝っています。過去の闘いの成果を称え、セルビアの家族のために祈りを捧げています。

スルプスカ共和国版との比較

スルプスカ共和国版の歌詞は、セルビア王を称える元の歌詞を保持しています。これは、スルプスカ共和国がセルビアの歴史と伝統を尊重する姿勢を示していると言えるでしょう。一方、セルビア版の歌詞は、政治体制の変化に合わせて修正されており、現代のセルビアの状況を反映したものとなっています。

文化的意義

「正義の神」は、セルビア国民にとって単なる国歌以上の意味を持っています。この歌は、セルビアの歴史、文化、そして国民の精神を象徴するものであり、国民の団結と愛国心を高める役割を果たしています。また、セルビアの重要な行事や式典で歌われることが多く、国民のアイデンティティを形成する上で欠かせない要素となっています。

「正義の神」は、セルビアの歴史と文化を色濃く反映した国歌であり、セルビア国民の心の支えとして、これからも歌い継がれていくことでしょう。

外部リンク

MP3 sound file (Republika Srpska) - セルビア版
Real Audio stream (Republic of Serbia)
Sheet music for Brass Band and for Orchestra with mixed choir (Parliament of Serbia website)
freesrpska.org (source of the English translation)
* Music and lyrics of the National Anthem

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