スルプスカ共和国

スルプスカ共和国

スルプスカ共和国（Република Српска）は、ボスニア・ヘルツェゴビナを構成する主要な二つの構成体のうちの一つで、セルビア人を主体とする共和国です。ボスニア・ヘルツェゴビナの国土の約49%を占め、独自の政府、大統領、立法府を有しています。通称は「セルビア人共和国」とも呼ばれます。

国名について

セルビア語での正式名称はРепублика Српскаです。「Српска」は「セルビアの」を意味する形容詞であり、直訳すると「セルビア人共和国」となります。しかし、セルビア共和国との混同を避けるため、日本では「スルプスカ共和国」と表記されます。英語では「Serb Republic」とも呼ばれますが、同様に混同を避けるために「Republika Srpska」が用いられることが一般的です。

歴史

1992年、ボスニア・ヘルツェゴビナがユーゴスラビアからの独立を宣言した際、独立に反対したセルビア人はスルプスカ共和国の樹立とボスニア・ヘルツェゴビナからの分離を主張しました。この対立が、1995年のデイトン合意まで続くボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の引き金となりました。デイトン合意によって、スルプスカ共和国はボスニア・ヘルツェゴビナを構成する二つの構成体の一つとして国際的に承認されました。

スルプスカ共和国の独立の背景には、民族間の対立がありました。紛争中に一部で活動したチェトニックについては、歴史的な経緯から、現在でも一部に支持者が存在します。

中央政府の議会下院では、スルプスカ共和国は一定の議席枠を有しており、定数42のうち14議席を占めています（残り28議席はボスニア・ヘルツェゴビナ連邦の議員が占めます）。

2022年11月には、ミロラド・ドディク氏がスルプスカ共和国の大統領に再選され、急進的で保守的な民族主義政策を推進する独立社会民主同盟が政権を担っています。

軍事

かつてスルプスカ共和国は独自の軍隊を持っていましたが、2005年にボスニア・ヘルツェゴビナ連邦との軍隊統合が実現し、現在のボスニア・ヘルツェゴビナ軍が創設されました。

行政区画

（詳細な行政区画については、原文では言及されていません。）

外部リンク

スルプスカ共和国政府 公式サイト (セルビア語)
スルプスカ共和国大統領 公式サイト (セルビア語)
スルプスカ共和国国民議会 公式サイト (セルビア語)
スルプスカ共和国憲法裁判所 公式サイト (セルビア語)

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