武備志

武備志 (ぶびし)

『武備志』は、明代の天啓元年、1621年に茅元儀によって編纂された兵法書であり、その内容は全240巻にわたります。この作品は、その膨大な図譜が特徴であり、兵法や戦略についての深い知識を提供する貴重な資料です。

作品の構成

『武備志』は大きく分けて5つの主要な項目で構成されています。

1. 兵訣評（18巻）
この部分では、古代の兵書である『孫子』や『呉子』などから、重要な要素を抽出して評論しています。

2. 戦略考（33巻）
春秋時代から元代までの豊富な戦争の実例を挙げながら、戦略について論じています。これにより、歴史的な戦争の教訓を現代に活かすことができると言えるでしょう。

3. 陣練制（41巻）
実戦における布陣や訓練方法についての詳しい解説がされています。この項目は、実際の軍事教育や訓練に非常に役立つ情報を提供しています。

4. 軍資乗（55巻）
ここでは、攻撃や防御、物資の管理に関する八つの重要な要素を取り上げ、それらに関連する軍事技術や兵器、築城技術について詳述しています。

5. 占度載（93巻）
天文気象や占いに関連する知識を集めた部分です。ここでは、戦争に影響を与える自然環境についても言及されています。

地誌航海図

『武備志』には、地理や航海に関する情報も豊富に含まれています。方輿や鎮戍、海防、江防、さらには四夷航海などの地理図を掲載し、『鄭和航海図』や『航海天文図』といった重要な図面も含まれています。

朝鮮勢法の特筆

さらに、近年『武備志』は、朝鮮の独自の剣術として知られる「朝鮮勢法」についても図譜と共に解説されていることから、より幅広い結びつきを持つ作品としての側面も強調されています。

参考文献と関連項目

この作品に関連する書籍としては『中国兵書集成』の27-36巻があります。
また、武芸諸譜なども関連項目として挙げられます。

外部リンク

武備志. 序総目、巻目、1-240 / 茅元儀編
ウィキメディア・コモンズには『武備志』に関するカテゴリが存在します。

『武備志』は、その豊富な内容と歴史的な価値から、今なお多くの研究や学習の対象となっています。

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