武漢地下鉄

武漢地下鉄

武漢地下鉄（ぶかんちかてつ、中国語：武汉地铁、英語：Wuhan Metro）は、中国湖北省武漢市を中心に、一部は鄂州市にも乗り入れている都市高速鉄道システムです。地下鉄だけでなく、高架鉄道も含むこのシステムは、2004年に1号線が開業して以来、武漢市民の重要な交通手段となっています。一般的には「武漢地鉄」という名称が広く使われていますが、公式な場では「武漢軌道交通」と呼ばれることもあります。

名称について

武漢の都市鉄道システムは、主に以下の二つの名称で呼ばれています。

武漢地鉄（武漢地下鉄）

「地鉄」は中国語で「地下鉄道」の略であり、路線の大部分が地下区間であることからこの名称が用いられています。運営会社の名称である「武漢地鉄集団有限公司」にも使われており、日常会話では最も一般的な呼称です。

武漢軌道交通

車内アナウンスや公式文書では、「武漢軌道交通」という名称が用いられています。こちらは公式な名称としての役割を担っています。

歴史

武漢市における都市鉄道の計画は1980年代初頭に始まりました。以下にその主な年表を示します。

1984年: 都市鉄道計画の検討開始
1992年: 武漢市軌道交通建設弁公室（公司）が設立
1993年: 1号線のフィージビリティスタディ報告書作成
1999年: 国家計画委員会がプロジェクトを承認
2000年: 武漢市軌道交通有限公司設立、1号線第1期工事着工
2004年: 1号線第1期区間が開業（中国中西部初のメトロ）
2006年: 武漢初の地下駅舎である4号線武昌駅が着工
2006年: 2号線第1期工事着工
2007年: 武漢地鉄集団有限公司設立
2012年: 2号線が開業
2013年: 4号線第1期区間が開業
2015年: 3号線が開業
2016年: 2号線北延長線と6号線が開業
2017年: 8号線、陽邏線、1号線径河延長線が開業
2018年: 7号線、11号線第1期区間が開業

路線

2023年9月現在、武漢地下鉄には以下の11路線が運行しています。

1号線

開業日: 2004年7月28日
構造: 全線高架
区間: 径河駅～漢口北駅
営業キロ: 37.936km
駅数: 28駅
電化方式: 第三軌条方式
路線記号: A

2号線

開業日: 2012年12月28日
構造: 地下（一部高架区間あり）
区間: 天河機場駅～光谷広場駅
営業キロ: 47.149km
駅数: 28駅
電化方式: 第三軌条方式
路線記号: B

3号線

開業日: 2015年12月28日
構造: 全線地下
区間: 沌陽大道駅～宏図大道駅
営業キロ: 29.660km
駅数: 24駅
電化方式: 第三軌条方式
路線記号: C

4号線

開業日: 2013年12月28日
構造: 地下（一部高架区間あり）
区間: 柏林駅～武漢火車站駅
営業キロ: 33.403km
駅数: 28駅
電化方式: 第三軌条方式
路線記号: D

6号線

開業日: 2016年12月28日
構造: 全線地下
区間: 東風公司駅～金銀湖公園駅
営業キロ: 35.512km
駅数: 27駅
電化方式: 架空電車線方式
路線記号: F

7号線

開業日: 2018年10月1日
構造: 全線地下
区間: 園博園北駅～青龍山地鉄小鎮駅
営業キロ: 47km
駅数: 26駅
電化方式: 第三軌条方式
路線記号: G

8号線

開業日: 2017年12月26日
構造: 全線地下
区間: 金潭路駅～軍運村駅
営業キロ: 38.197km
駅数: 26駅
電化方式: 第三軌条方式
路線記号: H

11号線

開業日: 2018年10月1日
構造: 全線地下
区間: 武漢東站駅～葛店南站駅
営業キロ: 22.53km
駅数: 14駅
電化方式: 第三軌条方式
路線記号: K

陽邏線

開業日: 2017年12月26日
構造: 高架（一部地下区間あり）
区間: 後湖大道駅～金台駅
営業キロ: 34.575km/35.02km
駅数: 16駅
電化方式: 第三軌条方式
路線記号: U

運賃

武漢地下鉄の運賃は距離制で、初乗り運賃は9kmまで2元です。その後、距離に応じて加算されていき、180分を超えると最大運賃が適用されます。

武漢通

武漢通は、武漢版の交通カードで、地下鉄駅の窓口や自動券売機で購入できます。一部の駅では、オリジナルデザインのカードも購入可能です。

フリーパス

武漢地下鉄では、1日券（18元）、3日券（45元）、7日券（90元）のフリーパスが販売されています。

建設中の路線

現在、以下の路線が建設中です。

3号線第2期区間
5号線第2期区間
6号線第3期区間
11号線東段第2～3期区間
12号線（環状線）
19号線
21号線西延線
新港線
前川線

計画中の路線

「武漢市軌道交通第4期建設計画（2017-2023年）」で環境審査を通過した路線として、6号線第2期、10号線、12号線、13号線、14号線、16号線、19号線、20号線、21号線第2期、前川線があります。

今後の展望

武漢地下鉄は、今後も路線網の拡大を続け、更なる利便性の向上を目指しています。計画中の路線が完成することで、武漢市とその周辺地域の交通はさらに発展すると期待されています。

外部リンク

武漢地下鉄公式サイト（中国語）

もう一度検索