武藤嘉一

武藤嘉一：政治と教育に捧げた生涯

武藤嘉一（むとう かいち）は、明治30年（1897年）2月20日に生まれ、昭和43年（1968年）7月23日に没した、日本の政治家であり、教育者です。衆議院議員や慶應義塾大学教授、武藤醸造所社長など、多様な顔を持っていました。

生い立ちと学歴

岐阜県出身の武藤嘉一は、父・嘉門もまた政治家でした。慶應義塾大学部理財科を卒業後、アメリカへ留学し、帰国後は慶應義塾大学で教鞭を執る傍ら、菊川酒蔵や旭紡績といった企業の社長も務めました。

政治家としての足跡

昭和21年（1946年）4月、戦後初の総選挙で衆議院議員に初当選し、昭和27年（1952年）8月の解散まで、3回当選を果たしました。その後、昭和38年（1963年）4月には各務原市長選に立候補し、初代市長に就任。しかし、昭和43年（1968年）6月に病気のため辞職し、その翌月に生涯を閉じました。

教育者としての貢献

武藤嘉一は、教育者としてもその名を知られており、富田高等女学校（現在の富田高校）の校長を務めるなど、教育界にも貢献しました。各務原市長時代には、名古屋商科大学の講師も兼任していました。

人となり

武藤自身は、「私は政治家に向いていない。学者辺りが向いていると思う」と語っていたとされています。しかし、周囲からの強い要請を受け、政治の世界へと足を踏み入れました。趣味は音楽鑑賞と旅行であり、禅宗を信仰していました。

家族

武藤家は岐阜県各務原市に根を下ろしており、父の嘉門は衆議院議員、岐阜県知事を務めました。妻のさとは富田吉三郎の四女であり、長男の嘉文もまた衆議院議員として活躍しました。嘉文は、自治政務次官、農林水産大臣、通商産業大臣、外務大臣、総務庁長官、自民党行政改革推進本部長など、数々の要職を歴任しました。

参考文献

人事興信所編『人事興信録 第13版 下』人事興信所、1941年。
人事興信所編『人事興信録 第15版 下』人事興信所、1948年。

武藤嘉一は、政治家、教育者、そして実業家として、多岐にわたる分野でその才能を発揮し、日本の発展に貢献した人物です。彼の足跡は、今もなお多くの人々に影響を与え続けています。

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