政務次官

政務次官の概要

政務次官（せいむじかん）は、1924年から2001年まで日本の各府省および大臣庁に存在した官職です。この役職は、国会議員から任用され、大臣の次に位置する機関として機能しました。大日本帝国憲法下では先任官に成り、大臣政務官が設けられた1947年以降の日本国憲法下では、国家公務員の特別職としての地位を持ちました。各省庁では、役職名の前には省庁名を付けて「外務政務次官」のように呼称されていました。

歴史

政務次官の前史

政務次官の前身は、1914年から1920年まで各省に置かれていた参政官で、これは勅任官で構成されていましたが必置の官ではありませんでした。

政務次官・参与官の設置

1924年に、政務次官は大臣補佐として設置されることが決定されました。これは、政党内閣の成立によるもので、いくつかの内閣を通じてその役割が引き継がれました。

日本国憲法施行後の状況

1947年には、日本国憲法が施行され、政務次官設置の根拠法である勅令が廃止されましたが、行政官庁法の成立により、その位置が保持されました。この法律により、数名の政務次官が設置され、1948年の法令により、政務次官の定数が22人とされました。

恒久化と制度の変更

1949年には、国家行政組織法が施行され、各省に政務次官が設けられることが正式に規定されましたが、その数は内閣総理大臣の数を超えてはならないとされました。また、1957年に改正された国家行政組織法において、特定の省の政務次官の定数が増えていきました。

1998年、外務省にも2名の政務次官が設けられることになり、1999年にはさらに多くの省において人数が増員されるなど、政務次官の役割が強化されました。

政務次官の廃止

2001年1月、国会審議の活性化と政治主導の政策決定システムの確立に関する法律が施行されると同時に、政務次官制度は廃止され、新たに副大臣と大臣政務官の制度が創設されました。これにより、政務次官は大臣不在時に命令に基づく省令や許認可の業務を行うことになり、役割が明確にされました。

職務内容

政務次官の主な職務は、事務次官と共に大臣を補佐することでした。政務次官は通常、当選回数が少ない若手議員が担い、政策の立案や人脈づくりを目的としていました。しかし、権限は大臣と比較して非常に小さく、法的に大臣の代理を務めることができず、国会での答弁も稀でした。これにより、政務次官の存在意義が曖昧であるとの見解もありました。

総括政務次官

再編の前の政務次官には、筆頭の政務次官に「総括政務次官」という称号が付けられ、実質的に指導的な役割を持つようになりました。

政務次官制度の廃止後

廃止以降は、副大臣と大臣政務官が新たに設けられ、それぞれの役割が明確になり、人事配置の合理化が進められました。規程上では、副大臣が広範な政策全般を支え、大臣政務官は特定政策に特化した補佐を行うことが求められました。これにより、政府組織の効率化が図られました。政務次官の廃止は、政治機関の再編において重要な一歩とされました。

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