武藤順九

武藤 順九: 日本の彫刻家・画家

武藤順九（むとうじゅんきゅう）は、1950年2月18日生まれの日本の彫刻家であり画家です。宮城県仙台市で生まれ、1973年には東京芸術大学を卒業しました。その後、彼はヨーロッパに渡り、特にイタリアのローマや彫刻の町ピエトラサンタにアトリエを構えました。

彼は大理石を素材とし、抽象的なテーマに焦点を当てた彫刻作品を制作しています。1997年、彼の代表作「風の環・PAX 2000」は、ピエトラサンタでヴェルシリア賞国際グランプリを受賞し、2000年にはローマ教皇の離宮であるカステル・ガンドルフォに永久設置されることとなりました。これは彼のキャリアにおける重要なマイルストーンであり、以降「風の環」の名を冠した作品を世界各国に設置することが続きました。

主な作品

彼の作品のいくつかを紹介します。

• - 1997年: 風の環・PAX 2000 - イタリア、ピエトラサンタに設置された後、ローマ教皇の離宮へ。
• - 2001年: 風の環・PAX 2001 - 宮城県仙台市の仙台国際センターに設置。
• - 2003年: 風の環・PAX 2003 - イタリア、ピエトラサンタに永久設置。
• - 2003年: 風の環・PAX 2003 - ベルギーのアントワープにも設置。
• - 2005年: 風の環・PAX 2005 - 滋賀県大津市の三井寺で除幕後、インドのブッダガヤに永久設置。
• - 2008年: 風の環・PAX 2008 - アメリカのデビルスタワーに設置。

これらの作品は、彼の抽象芸術への探求と自然との調和を表現しています。武藤の彫刻は、空間を捉え、観客に強い印象を与えると同時に、静かな精神性を感じさせます。

その他の活動

武藤は、2012年末まで宮城県が委嘱した「みやぎ夢大使」を務めながら、地域振興や文化活動に貢献しました。

また、彼にちなんだ小惑星6098が2009年に国際天文学連合によって「Mutojunkyu」と命名され、彼の作品と同様に世界に広がる存在となっています。

出版物

武藤の作品や思想については、神渡良平著の『風の環 武藤順九の宇宙』が出版されています。この書籍には特別付録として、「風の環の歌」が収録されており、歌詞は湯川れい子、作曲は渡辺俊幸、歌唱はヤドランカによるものです。

まとめ

武藤順九は、抽象彫刻の分野での才能を発揮し、多くの人々に影響を与えています。彼の作品は静けさと力強さを同時に持ち、観る者に深い思索を促します。彫刻を通じて、彼は人々に自然や宇宙といった根源的なテーマについて考えるきっかけを与え続けています。

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