武装中学生

武装中学生（バスケット・アーミー）

エンターブレインが発足した野島一成によるXXolution project：第1弾のコンテンツであり、それを中心としたクロスメディア作品。

概要

『ファイナルファンタジーシリーズ』などで知られるシナリオライター、野島一成が手掛けるコンテンツ。舞台は近未来の2026年、経済大国から転落しつつある日本。防衛教育が取り入れられた社会で、防衛学院の生徒たちが物語のキーパーソンとして活躍します。

世界観

原作小説では、2026年の日本は経済的に衰退し、変化の兆しが見え始めたばかりという設定です。防衛体制を整える政策の一環として設立された東都防衛学院の生徒たちは、理想の世界を目指していましたが、ある事件をきっかけに「武装中学生」と呼ばれるようになります。銃を持ち偏った思想を持って事件を起こしたように印象操作され「武装中学生」と呼ばれることになった少年少女たちは、自分たちを「バスケット・アーミー」と名乗ることにしました。

あらすじ

物語は、高千穂バイオテックの研究員、滝沢智則が開発した「<<ラン>>」の実験成功から始まります。滝沢は、<<ラン>>の海外流出を阻止するため、研究データを持ち出しますが、フランスの会社オーベルに買収された高千穂バイオテックは、セキュリティ会社トライデントに回収を依頼。

トライデントのエージェントたちは、滝沢の妻、滝沢考子の監視から手がかりを掴み、自衛隊員の神谷公子（滝沢の義姉）に接触しようとしていることを知ります。神谷は、私立東都防衛学院の夏季総合演習で教官を務めており、滝沢は国防ロボット研究の講義を依頼されていました。トライデントはこれを盗聴し、演習場に先回りします。

2026年8月1日、演習場で滝沢はトライデントのエージェントに襲撃され、銃撃戦が発生。滝沢や神谷だけでなく、生徒たちも死傷する事態となります。滝沢から最後の頼みを聞いた名取トウコは、黒部カズキら他の生徒と共に逃亡。彼らは、自分たちが誰に、なぜ襲われたのかもわからないまま、真相を究明しようと奔走します。

逃亡中、トウコが銃を撃った場面が加工された動画が拡散され、中学生によるテロ行為として情報操作が始まります。学院や生徒の関係者には警視庁警備局と名乗る捜査員が現れるなど、状況は混迷を極めます。少年少女たちは、自分たちを「バスケット・アーミー」と名乗り、事件の真相を追うことを決意します。

一体、<<ラン>>は誰の手に渡るのか。そして、少年少女たちは、この危機を乗り越えることができるのでしょうか。

登場人物

バスケット・アーミー（東都防衛学院生徒）

名取トウコ：東都防衛学院中等部三年二組の小隊長。成績優秀で正義感が強い。滝沢の遺志を継ぎ、<<ラン>>とデータを守ろうとします。
黒部カズキ：東防中の生徒。学院での成績は優秀だが、自身の能力向上に対して執念のようなものを感じると担当教官から評されている。口は達者だが、実践で銃の引き金を引く時、躊躇いを見せた。
瀬波ヒカリ：眼鏡をかけたショートヘアーで、気弱そうな顔をしている。社会的成功をおさめている家族に劣等感だけを抱いてきた。元々、東防中に進学をする気はまったくなかった。
高津ヨウジ：ネット依存者で演習には持ち込み禁止の通信機器を密かに所持しており、普段から利用しているコミュニティサービスに、ひそかに演習場での襲撃について書き込んでいる。
吉野サトシ：自衛官である父親の影響で、東防中に進学を決めていた。アニメと特撮モノが好きな、ごくごく普通の中学生。性格は単純明快で友人も多い。
松浦アン：昔ヒット曲を世に出したロック歌手と帰国子女の間に生まれた。親の夫婦仲は不仲で別居状態。小学5年生の頃に父親の知り合いの写真家に、きわどい衣装の写真集を出されそうになったことがあって以来、自分が汚れている気がしている。
狩野ナナミ：学院のアイドル的な存在で、実際にアイドルを目指している。東防中への進学理由はアイドルになった時に面白い経歴だと評価されるため。
鶴見タロウ：中国人の父と日本人の母の間に生まれたが、彼が二重国籍であることはあまり口外していない。国籍のことで周囲ともめないためである。

教職員

奈良原光明：東都防衛学院の学園長。生徒の身を案じている。
北野聡太：東防中第三小隊の三年二組の担当教官。
服部誠：東防中第三小隊の三年二組の副担当教官。

関係者

神谷公子：陸上自衛隊三等陸尉。東都防衛学院生徒が参加する演習で担当教官を務める。滝沢は高校時代の同級生で、妹の婿である関係。
滝沢智則：高千穂バイオテック研究員。<<ラン>>の海外流出を防ぐため研究データを持ち出す。
滝沢孝子：滝沢智則の妻であり、神谷公子の妹。

トライデント社

クリス・アリオー：トライデンント社が日本に派遣したエージェントのリーダー。性格は冷酷無情。
ガブリエル・ダンドリー：トライデント社が日本に派遣したエージェントの一人。性格は粗野で凶暴。
トーチ：トライデント社が日本に派遣したエージェントの一人。性格は穏やか。
ジョルジュ・吉田: クリスらのミッションのコーディネートを請け負う。複数言語を操る。トウコに執着する。

用語

東都防衛学院：国家防衛教育法の施行に合わせ設立された中高一貫教育の私立防衛学校。
<<ラン>>：正式名称『Regeneratable　Artificial nerve』。可再生人工神経。戦闘用ロボット「スサノオ」の汎用伝送ケーブルとして開発されたシステム。
高千穂バイオテック：<<ラン>>を用いた戦闘用ロボット「スサノオ」の開発研究をしている会社。
トライデント：フランスのセキュリティ会社。傭兵派遣会社としても知られる。
オベール：フランスの兵器メーカーでトライデントの親会社。<<ラン>>を目的に高千穂バイオテックを買収。
ケイコム：日本の警備会社。東都防衛学院の警備も請け負っている。
バスケット・アーミー：トウコ達が決めた自分達の呼び名。バスケットの代わりにクーラーボックス、猫の代わりに<<ラン>>という意味を込めている。

メディア展開

小説：「武装中学生」（野島一成著）
漫画：「武装中学生」「武装中学生 ZERO」（PECTONG作画）、「武装中学生 TRIGGER GENE」（夢乃むえ作画）、「武装中学生 2045 -夏-」（長谷川光司作画）
ショートアニメ
* オーディオドラマ

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