武装革命中核

武装革命中核（Nuclei Armati Rivoluzionari、略称NAR）は、1970年代後半から1980年代にかけてイタリアで活動した極右ネオ・ファシストの武装組織です。

1977年に結成されたNARは、イタリア国内の政治的混乱と社会不安を背景に、既存の政治体制への徹底的な抵抗を掲げました。その活動は、政治家や警察官、裁判官などに対するテロ攻撃や暗殺、銀行強盗など、暴力的な手段を伴うものでした。組織は、若年層を中心としたメンバーで構成され、過激なイデオロギーに染まっていました。

NARの最も悪名高い事件としては、1980年8月2日に発生したボローニャ駅爆破テロ事件が挙げられます。このテロ事件では、85人の死者と200人以上の負傷者を出すという、イタリア戦後史上最悪の惨事となりました。NARは、このテロ事件への関与を否定してきましたが、裁判の結果、主要メンバーが有罪判決を受けています。この事件は、イタリア社会に深い傷跡を残し、その後の政治情勢にも大きな影響を与えました。

NARの活動は、1980年代初頭には下火となりましたが、組織のメンバーはその後も様々な犯罪に関与したとされています。また、NARの思想は、後の極右勢力にも影響を与えたと見られています。元NARメンバーの中には、政治家として活動する者もおり、欧州議会議員を務めたロベルト・フィオレもその一人です。フィオレは、NARの活動に関与した過去について、公式には謝罪していません。NARは、イタリア現代史において、暴力と混乱の時代を象徴する存在として、その歴史は深く検証されるべき対象です。彼らの活動は、民主主義の脆弱性と、過激思想が社会に及ぼす危険性について、重要な教訓を与えています。

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