武部小四郎

武部小四郎の生涯

武部小四郎（たけべ こしろう、1846年 - 1877年）は、幕末の福岡藩士であり、勤皇家として名を馳せた自由民権運動家です。彼の名前は元々「建部」であり、父の名「武」から取って「武部」と改姓し別の家を興しました。名は自成（なりなり）であり、通称は小四郎、また別名で燕之允とも呼ばれています。彼の家族背景には、父・建部武彦や伯父である黒田一葦など、当時の武士や知識人が含まれています。

生い立ちと教育

小四郎は、尊皇攘夷政策を支持していた父の影響を大いに受けながら育ちました。福岡藩の藩校である修猷館で教育を受け、多くの知識人や政治家と交流を持ちました。父が佐幕派に対する弾圧事件で切腹した際、彼は家督を受け継ごうとしましたが、藩の承認が得られず、独自に道を切り開くことを決意します。

活動と仲間たち

戊辰戦争では、皇軍に属して功績を証明し、高場乱が起きた興志塾で多くの志を同じくする仲間たちと出会いました。その後、彼は政治の舞台でより活躍することを目指し、1875年に大阪で愛国社の設立に参加し、福岡藩からは越智彦四郎と共に代表として参加しました。これにより、彼は自由民権運動の中心人物の一人となりました。

政治活動の一環として、同年中に福岡に戻ると、彼は政治結社「矯志社」を結成しました。この組織には、平岡浩太郎や頭山満、進藤喜平太、そして後に箱田六輔や奈良原至といった志士たちも名を連ね、福岡の自由民権運動の推進に寄与しました。

西南戦争と最期

1877年には西南戦争が勃発すると、小四郎は熊本城攻囲に参加し、越智と共に福岡城を攻撃する「福岡の変」を指揮します。しかし、運悪く敗北を喫し、政府軍に捕らわれる運命に。捕縛された彼は、次の日の5月3日に斬刑にされ、享年31歳という若さでした。彼の辞世の句「世の中は満れば欠ける十六夜のつきぬ名残りは露ほどもなし」は、彼の心情を如実に表しています。

まとめ

武部小四郎は、名も知れぬままその命を散らした志士の一人であり、自由民権運動において重要な役割を果たしました。彼の名は歴史に刻まれ、彼の精神は後の世代に引き継がれています。彼の生涯を通じて、辛いことも多かったにもかかわらず、彼の信念に基づく勇気と行動は我々に多くの教訓を与えています。

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