歴史教育者協議会

一般社団法人歴史教育者協議会（れっきょうきょう）は、日本の歴史教育に関する研究と実践を推進する学術団体です。1949年の設立以来、日本の歴史教育の向上に貢献しており、その活動は多岐に渡ります。

設立と沿革: れっきょうきょうの前身は、1945年に発足した「国史教育検討座談会」と、1946年に設立された民主主義科学者協会歴史部会内の歴史教育分科会に遡ります。戦後日本の混乱期において、歴史教育の在り方を探る動きの中から生まれた団体と言えるでしょう。幾度かの組織改編を経て、2011年には一般社団法人へと移行し、現在に至ります。

研究活動: れっきょうきょうは、心理学、教育学、史学の知見を統合的に活用し、歴史教育に関する実践的研究を推進しています。具体的な活動としては、歴史・社会科教育の指導法に関する研究、地域の歴史に関する調査研究、歴史教育に関する研究大会や講演会、講座の開催などが挙げられます。これらの活動を通して、歴史教育の質の向上に寄与することを目指しています。さらに、国内外の関連団体との連携を強化し、国際的な視点を取り入れた歴史教育の研究にも力を入れています。

機関誌: れっきょうきょうは、会員向けの機関誌として『歴史地理教育』と『歴史教育月報』を発行しています。これらの機関誌は、歴史教育に関する最新の研究成果や実践事例を紹介する場として、関係者にとって重要な情報源となっています。有料購読となっているため、会員や研究者にとって継続的な情報収集のツールとして役立っています。両誌とも日本語のみで発行され、印刷体での配布が中心です。

社会貢献: れっきょうきょうは、歴史教育に関する重要な社会問題にも積極的に関与しています。例えば、2021年には、慰安婦問題に関する論文の撤回を求める声明を発表し、社会的な議論に貢献しました。歴史認識に関わる問題について、学術的な立場から発言することで、社会全体の理解を深めることに努めています。

組織: れっきょうきょうは、単独学会として運営されており、日本歴史学協会にも加盟しています。会員は、大学教授、高校・中学校の教員、研究者など、歴史教育に関わる多様な人材で構成されています。これらの多様な人材が、それぞれの専門性を活かし、歴史教育の課題解決に取り組んでいる点が特徴です。

今後の展望: れっきょうきょうは、今後とも、歴史教育の研究・実践を推進し、日本の歴史教育の発展に貢献していくことを目指しています。時代が変化する中で、歴史教育のあり方も変化していく必要があり、れっきょうきょうはその変化に対応しながら、常に最善の教育方法を探求していく姿勢が求められます。 社会のニーズを捉え、新たな研究テーマに取り組むこと、そして、国際的な視点を取り入れながら、世界に開かれた歴史教育の推進に貢献していくことが期待されています。

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