段世

段世の生涯と雲南の戦乱

段世（だんせい、生没年不詳）は、モンゴル帝国である大元ウルスの支配下にあった雲南における、最後の大理総管である。彼は前任者である第12代大理総管、段明の子として生まれた。段世が総管を任されていた時期、中国大陸の大部分は明朝に支配されていたが、雲南だけはモンゴル王族の梁王バツァラワルミの統治が続いていた。

明軍の侵攻

1381年（洪武14年）9月、明の征南将軍である傅友徳が雲南への侵攻を開始した。段明は明軍に朝貢を提案したものの、これが拒絶されたため、事態は急速に悪化した。傅友徳に率いられる明軍は、征南左副将軍の藍玉と右副将軍の沐英を伴い、雲南に対する攻撃を本格化させた。

段世は、敵軍の攻撃から大理を守るため、険しい地形を利用して下関の防御を強化した。しかし、別働隊の指揮官・胡海洋が点蒼山の崖から下関を脅かし、段世の兵が驚いて動揺する中、沐英が一気に攻撃を仕掛けた。このようにして1382年（洪武15年）閏2月23日、下関はついに陥落した。更に胡海洋は、崖の上から本隊とともに大理兵を挟み撃ちにし、最終的に大理兵は壊滅的な敗北を喫した。

大理総管の終焉

この戦闘によって、段世は明軍の捕虜となり、雲南右丞である観音保や参政の劉車車不花らとともに1383年（洪武16年）2月26日に明の首都である應天府に送られた。1384年（洪武17年）4月、段世は父である段明と共に、斉王朱榑のために仕官するよう指示を受けたことが記録されている。

段世の大理総管としての統治は、明軍の侵攻によって見事に終焉を迎え、雲南の地におけるモンゴル王族の支配は歴史の一幕となった。彼の生涯は、戦乱に翻弄された時代を真に反映したものであり、彼の物語は後世に多くの教訓を残した。

文献の参照

段世の歴史に関する詳細な情報は、いくつかの文献から入手可能である。例えば、林謙一郎の『元代雲南の段氏総管』（1996年）や、奥山憲夫の「洪武朝の雲南平定戦」シリーズ（1996年、1997年）などが挙げられる。これらは、当時の政治的背景や戦局を理解するための重要な資料である。

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