段思廉

段思廉（だん しれん）は、大理国の第11代国王であり、初代国王である段思平の玄孫にあたります。

1053年、北宋の広源州において、少数民族の指導者であった儂智高（のう ちこう）が思琅州で反乱を起こし、大南国を樹立して仁恵皇帝を自称しました。儂智高は宋に抵抗しましたが、宋の枢密副使であった狄青（てきせい）に敗れ、大理国へと逃亡しました。

段思廉は、儂智高を匿うことなく、これを殺害し、その首を北宋の都である開封へと送りました。この行動は、大理国が宋との友好関係を重視していたことを示しています。その後、具体的な年代は不明ですが、段思廉は正徳、保徳といった元号を立てています。

1063年、段思廉は岳侯であった高智昇（こう ちしょう）に命じて、楊允賢（よう いんけん）を討伐させました。この功績を評価し、高智昇に太保の位を授け、徳侯に封じるとともに、白崖と我賧の地を与えました。さらに後年、高智昇を鄯闡侯（ぜんせんこう）に進め、その封号を子孫に世襲させることを認めました。このように、段思廉は高智昇を重用し、その功績に報いました。

1075年、段思廉は息子の段廉義（だん れんぎ）に王位を譲り、自らは僧侶となりました。これは、仏教が深く浸透していた大理国における王の引退の典型的な例と言えるでしょう。

段思廉の治世は、儂智高の反乱鎮圧と宋との友好関係維持、そして高智昇の重用に見られるように、安定した治世であったと評価できます。また、晩年の出家という行動は、大理国の文化的な側面を象徴しているとも言えます。

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