殺しの接吻

殺しの接吻

『殺しの接吻』（ころしのせっぷん、原題: No Way to Treat a Lady）は、1968年に製作されたアメリカ合衆国のスリラー映画である。ジャック・スマイトが監督を務め、ロッド・スタイガーが主演した。

ストーリー

物語は、ニューヨークの下町で発生した殺人事件から幕を開ける。犯人は神父に変装しており、アパートに住む女性を殺害した。事件を担当することになった刑事モーリス・ブランメルが新聞の取材に応じた談話が掲載されると、それを見た犯人からモーリスのもとへ挑発的な電話がかかってくるようになる。警察は逆探知を試みるが失敗し、その間に第2の殺人が発生してしまう。

そんな中、ケイト・パーマーという女性が警察に現れ、最初の事件で犯人を目撃したと証言する。ケイトの証言は捜査の手がかりとなる一方、モーリスとケイトは捜査を通じて次第に親密になっていく。

一連の事件の犯人は、有名な舞台女優を母に持つ劇場主、クリストファー・ギルであった。彼は警察、特に担当のモーリスに電話で犯行予告を行う一方、変装を駆使し、捜査網をかいくぐる巧妙さを持っていた。ギルはその後も犯行を重ねるが、第3の事件は未遂に終わる。しかし、第4の事件ではまた別の変装を用いて被害者に接近し、殺害を成功させる。相次ぐ事件阻止の失敗から、モーリスは捜査担当を外されてしまう。

新聞でモーリスが担当を外されたことを知ったギルは、皮肉にも電話で彼の復職を求める。その後、ギルは売春婦を殺害する。復職したモーリスは事件の手がかりを得るため売春婦たちから聞き込みを行っており、その際に変装したギルと接触していたことに気づかない。

モーリスが新聞のインタビューで犯人を「変態性欲を持つ異常者」だと断言すると、ギルは激しく憤慨する。怒りに駆られたギルは、かねてより目を付けていたケイトを次の標的とし、彼女のアパートに近づく。しかし、その場にモーリスが現れ、ギルを阻止しようとする。ギルは自身の劇場へ逃げ込むが、追ってきたモーリスに追い詰められ、観念した彼は持っていたピストルで自らの命を絶つ。

キャスト

※括弧内は日本語吹替（初回放送1975年11月13日『木曜洋画劇場』）

クリストファー・ギル：ロッド・スタイガー（穂積隆信）
ケイト・パーマー：リー・レミック（鈴木弘子）
モリス・ブランメル：ジョージ・シーガル（森川公也）
ブランメル夫人：アイリーン・ヘッカート
ヘインズ検査官：マーレイ・ハミルトン
クッパーマン氏：マイケル・ダン
アルマ・ムロイ：マーティン・バートレット

スタッフ

監督：ジャック・スマイト
製作：ソル・C・シーゲル
原作：ウィリアム・ゴールドマン
脚本：ジョン・ゲイ
撮影：ジャック・プリーストリー
編集：アーチー・マーシェク
音楽：スタンリー・マイヤーズ

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