毎日中学生新聞

毎日中学生新聞（まいにちちゅうがくせいしんぶん）は、株式会社毎日新聞社が発行していた、中学生を主な読者層とする日刊の新聞です。日本の新聞としては当時、唯一となる中学生だけを対象とした日刊紙として知られ、特に西日本や関西地方で多くの読者に親しまれていました。

創刊から休刊まで

この新聞は、1949年11月16日に創刊されました。終戦から間もない時期、未来を担う中学生に社会の動きや学習情報を提供することを目的としていました。

紙面には、全国津々浦々の学校、特に中学校での様々な行事や出来事が紹介されました。また、中学生の大きな関心事である高校受験に向けた情報や、日々の学習に役立つ話題が多く掲載されました。読者が参加できる企画や意見を投稿する欄も設けられ、読者と新聞との間の交流が図られていました。さらに、連載漫画や小説といった娯楽性の高い記事も人気を集めました。

毎日新聞社の論説委員が、政治、経済、社会情勢、科学、文化、スポーツなど、幅広い分野の重要なニュースや出来事を、中学生にも理解できるよう平易な言葉で解説する記事は、社会への関心を高める上で貴重な機会を提供しました。晩年には、当時の若者のトレンドを反映し、アニメや漫画に関する特集記事や、読者からのイラストや意見を掲載する投稿コーナーにも力を入れ、多くの読者からのはがきが寄せられていました。

しかし、少子化が進み、さらにインターネットが普及する中で、新聞の発行部数は徐々に減少しました。経営状況の悪化が続き、2006年3月31日付けの新聞をもって休刊することとなりました。創刊から57年の歴史に幕を下ろし、その通算発行号数は2万206号に及びます。休刊の理由については、経営的な要因が直接の原因であり、一部で取り沙汰された文通コーナーにおける個人情報関連のトラブルなどが原因とする説は、事実ではないことが確認されています。

毎日中学生新聞の休刊後、毎日新聞の朝刊紙面に週に一度、「中学生面」が設けられ、中学生向けの情報を継続して提供する形がとられました。

本紙休刊後の動向として、約5年後の2011年には読売新聞社が子供向けの新聞を創刊し、約8年後の2014年には同社から中高生を対象とした新聞が発行されています。

関連する事柄

ムロタニツネ象：著名な漫画家。学生時代に毎日中学生新聞の懸賞に応募した漫画作品が金賞を受賞し、プロの漫画家として活動を始めるきっかけとなりました。
姉妹紙：同じ毎日新聞社が発行する小学生向けの「毎日小学生新聞」や「毎日こどもしんぶん」は、本紙の姉妹紙にあたります。
* 他社の類似紙：他社からも、朝日学生新聞社発行の「朝日小学生新聞」、「朝日中学生ウイークリー」（現在の「朝日中高生新聞」）や、読売新聞社発行の「読売KODOMO新聞」、「読売中高生新聞」、中日新聞社発行の「中日こどもウイークリー」など、子供や中高生を対象とした新聞が発行されています。

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