毒物及び劇物指定令

毒物及び劇物指定令の概要

毒物及び劇物指定令は、国民の健康と安全を守るため、毒物及び劇物取締法に基づいて制定された政令です。同法の別表では、毒物、劇物、特定毒物がそれぞれ指定されていますが、この政令では、それ以外の物質についても、その危険性に応じて毒物、劇物、特定毒物として指定しています。

毒物及び劇物取締法では、別表に記載されている物質以外に、政令で定める物質も毒物、劇物、特定毒物として取り扱うと規定しています。この政令は、まさにその規定に基づいて、取り締まるべき物質を具体的に指定しているのです。指定対象物質は、その危険性に応じて、毒物、劇物、特定毒物に分類され、それぞれ異なる規制が適用されます。

具体的には、2019年1月1日現在、毒物104品目、劇物311品目、特定毒物10品目が指定されています。しかし、これらの指定品目は固定的なものではなく、社会情勢の変化や科学技術の進歩を踏まえ、必要に応じて見直しが行われています。そのため、毎年平均1回程度の頻度で、指定品目の追加や削除などの改正が行われています。

また、この政令は、改正の施行期日や経過措置についても定めています。これは、改正によって生じる混乱を最小限に抑えるために重要な措置です。さらに、同じ成分であっても、純粋な物質と混合物では法令上の指定が異なる場合や、濃度によって指定が変わる場合もあることに注意が必要です。

法令上の指定と物質の特性

毒物及び劇物指定令で指定される物質は、その化学的性質や毒性、人体への影響など、様々な要素を考慮して分類されています。例えば、同じ成分であっても、純粋な物質（単一成分）と混合物（製剤）では、法令上の指定が異なる場合があります。これは、混合物の中には、純粋な物質とは異なる毒性や危険性を持つものがあるためです。

さらに、濃度によって指定が変わる物質もあります。ある物質は、高濃度では劇物に指定される一方で、低濃度では指定されないというケースも存在します。これは、濃度によって毒性や危険性が大きく変化するためです。これらの複雑な指定基準を理解するためには、日本の毒物一覧、日本の劇物一覧、日本の特定毒物一覧などを参照することが必要になります。

関連法令と主務官庁

毒物及び劇物指定令は、厚生労働省が所管する政令です。この政令の運用には、毒物及び劇物取締法をはじめ、多くの関連法令が関わっています。これらの関連法令には、毒物及び劇物取締法施行令、毒物及び劇物取締法施行規則、毒物及び劇物取締法施行細則など、毒物及び劇物の取り扱いに関する具体的な規定を定めたものが含まれます。

さらに、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律（化学物質審査規制法）、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律（化学物質排出把握管理促進法）、労働安全衛生法、ダイオキシン類対策特別措置法、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律（薬機法）、麻薬及び向精神薬取締法、覚醒剤取締法、大麻取締法、あへん法、化学兵器の開発、生産、貯蔵及び使用の禁止並びに廃棄に関する条約（化学兵器禁止条約）など、関連する法律は多岐に渡ります。これらの法令は、それぞれ異なる側面から毒物及び劇物の取り扱いに関する規制を定めており、それらが相互に連携することで、国民の健康と安全が守られています。

情報収集とデータベース

毒物及び劇物に関する正確な情報を得るためには、信頼できる情報源を利用することが重要です。国立医薬品食品衛生研究所（NIHS）が提供する「毒物および劇物データベース」は、毒物及び劇物に関する詳細な情報を提供しており、非常に有用な情報源となります。このデータベースを活用することで、指定物質の名称、化学式、毒性、取り扱いに関する注意事項などを確認することができます。

また、日本の毒物一覧、日本の劇物一覧、日本の特定毒物一覧なども参考として役立ちます。これらの情報源を総合的に活用することで、毒物及び劇物に関する理解を深め、安全な取り扱いを推進することができます。

もう一度検索