比治山橋

比治山橋（ひじやまばし）

比治山橋は、広島県広島市に架かる道路橋で、京橋川を跨ぐ重要な交通路の一つです。この橋は、被爆橋梁の中でも特に歴史的な意義を持っており、現在も利用されています。周囲には広島市立竹屋小学校や広島昭和郵便局があり、地域のランドマークとなっています。

橋の概要

比治山橋は1939年に竣工され、橋長は147.5メートル、幅員は約20メートルの鉄筋コンクリート製のゲルバー桁橋です。広島市道南3区183号線に位置し、近隣には鶴見橋や平野橋があり、交通の要所となっています。橋の南側には比治山が広がり、北側には京橋川が流れており、周囲の景観を形成しています。

歴史的な背景

比治山橋のこの地域は、江戸時代からの干拓によって形成された土地です。当時は橋の架設が制限されており、明治に入るまで数本の橋しかありませんでした。しかし、1928年に都市計画法が施行され、架橋が計画されるようになり、1938年に工事が開始されました。この橋は、開通式が行われた1940年までに建設されました。

原爆投下と戦中の避難所として

1945年8月6日、広島市に原子爆弾が投下されました。この時、比治山橋は爆心地から約1.71キロメートルの位置にありましたが、爆風に耐え、橋の南側の欄干が落下するも落橋を免れました。戦中、比治山は防空壕が設置され、多くの市民が空襲時に避難する場所として利用されました。そのため、多くの被爆者がこの橋を渡り逃げていきました。

戦後、広島復興の一環としてこの橋は補修され、当時の傷跡を今も確認することができます。広島市はこの橋を被爆橋梁として特に重視し、維持管理を行っています。

石碑と地域への影響

比治山橋の南区側には、1921年に建立された道路票があります。これは広島電気株式会社と土木建築請負業者坂本常蔵の寄贈によるものであり、どのような経緯で連名で石碑が建てられたかは不明です。石碑は、橋よりも以前に設置されたこともあり、現在の場所に移設される際にその歴史が再評価されました。

この地域は広島の発展に寄与してきた歴史ある場所であり、比治山橋は現在も広島市民にとって大切な交通路であるだけでなく、歴史的な経験を語り継ぐ象徴的な存在となっています。地域住民にとって、この橋は安全で快適な移動手段であると同時に、広島の過去を記憶するための重要なランドマークでもあります。

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