毛利千代子

毛利 千代子

毛利 千代子（もうり ちよこ、1943年〈昭和18年〉4月18日 - 2011年〈平成23年〉3月10日）は、日本のラジオパーソナリティとして知られる人物です。京都府舞鶴市の出身で、そのキャリアは多岐にわたりました。

初期キャリア

幼い頃から表現の世界に触れており、かつて朝日放送直属の放送劇団にて活動していた時期があります。この経験が、後のラジオでの活動の礎となったと考えられます。

『おはようパートナー』と共に

毛利千代子氏のラジオパーソナリティとしての顔を最も多くのリスナーに印象づけたのは、1976年10月から2002年9月までの長きにわたり、ABCラジオで放送された平日の朝の顔ともいえる番組、『毛利千代子のおはようパートナー』でしょう。実に26年もの間、毎日朝の時間をリスナーと共有し、その温かく親しみやすい声と語り口で、多くの人々に一日を始める活力を届けました。番組内では、パーソナリティ自身の言葉だけでなく、自ら作った俳句なども披露するなど、リスナーとの距離を縮める様々な試みを行いました。

阪神・淡路大震災発生時の対応

1995年1月17日、阪神・淡路大震災が発生した際、毛利千代子氏はまさに『おはようパートナー』の生放送の最中でした。この未曽有の大災害は、放送局であるABCラジオのスタジオにも影響を与え、地震の激しい揺れにより一時的に停電し、放送が途切れる事態となりました。しかし、幸いにもわずか十数秒後には自家発電設備が作動して放送が復旧。混乱が予想される状況下で、毛利氏は動揺するリスナーに対し、落ち着いて行動するよう強く、しかし冷静に呼びかけました。このときの対応は、後に多くのリスナーから「毛利さんの落ち着いた呼びかけのおかげで、冷静さを保つことができた」「励まされた」といった感謝のメッセージが寄せられるほどでした。一方、毛利氏自身は、あの極限状態の中で揺れに驚き、放送中にもかかわらず思わず席を立ってマイクから離れそうになってしまったことを深く悔やみ、その経験について繰り返し語っていたといいます。

番組終了後の活動と晩年

『おはようパートナー』を勇退した後も、毛利千代子氏はラジオの世界から離れることなく、ABCラジオを中心に様々な番組でパーソナリティを務めました。『日曜なつメロ大行進』をはじめ、数々の番組で変わらぬ温かい語り口を聞かせ、リスナーを楽しませました。

しかし、2009年11月に病気のため一時的に番組を休養。翌2010年4月には一旦復帰しましたが、2011年1月に再び体調を崩し、再び休養を余儀なくされました。そして、2011年3月10日、大腸がんのため惜しまれつつも逝去されました。享年67歳でした。

毛利氏の逝去後間もなく、ABCラジオの開局60周年を記念したCDブック「いつもラジオと一緒」が発刊され、そこには『おはようパートナー』で毛利氏の後を引き継いだ現在のパーソナリティである慶元まさ美氏との対談が収録されています。また、没後1年を迎えた2012年3月10日には、後任の宇野ひろみ氏が進行役を務める1時間の追悼特別番組『いつもあなたと一緒～毛利千代子さんへ』がABCラジオで放送され、改めてその功績と人柄が偲ばれました。

主な出演番組

『日曜なつメロ大行進』（ABCラジオ、2002年 - 2011年）
『毛利千代子のちょっとおでかけ日曜日』（ABCラジオ、2006年4月 - 2009年10月）
『毛利千代子のおはようパートナー』（ABCラジオ、1976年 - 2002年）
『毛利千代子の旅のハーモニー』（ABCラジオ、 - 2003年3月）
『毛利千代子月曜歳時記』（ABCラジオ）
『毛利千代子の音楽のアルバム』（ABCラジオ）
『毛利・茜の関西なつかしめぐり』（ABCラジオ）
『ちあーずらいふ』（ラジオ大阪）

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