毛利宮彦

毛利 宮彦 (もうり みやひこ)

概要

毛利宮彦は1887年8月25日に愛知県で誕生し、1957年1月27日に亡くなった日本の著名な図書館学者です。彼は早稲田大学の図書館員および講師として、多大なる業績を残しました。図書館学の創設期において中心的な役割を果たし、特に図書館の施設や設備に関心を持ち、早稲田大学新図書館の設計に関与しました。

来歴

毛利宮彦は士族の家に生まれ、1912年に早稲田大学文学科を卒業後、同大学の図書館で図書館員としてのキャリアをスタートさせました。1915年から1916年にかけて、ニューヨーク公共図書館附属ライブラリースクールに留学し、図書館や大学の研究室制度を学びました。帰国後、山形市で開催された全国図書館大会にて「個人と公衆図書館」という題で講演を行い、その知識と経験を広めました。

1917年に早稲田大学図書館を辞し、大阪毎日新聞社で資料室の近代化や調査資料の整理、年鑑の編纂などに従事しました。1926年には同社を退職し、1928年に「図書館事業研究会」を設立。ここから『図書館学講座』の発刊を進め、その後1942年には陸軍士官学校での文庫の拡充にも寄与しました。また、1950年に早稲田大学教育学部の講師として「図書館学」を担当し、図書館学の教育・普及に努めました。最終的に、彼は1957年に69歳でこの世を去りました。

主な業績

毛利の著作としては、単著で『図書の整理と運用の研究』や『図書館学綜説』があり、これらは図書館の運営に関する貴重な文献とされています。また、『簡明十進分類表並索引』の改訂版を編集し、図書館の分類法に関する研究も行いました。さらに、田中敬との共著による『内外参考図書の知識』も図書館学界に貢献する作品です。

彼の論文も高く評価されており、「最近の図書分類法の問題」など複数の重要な論考が存在し、日本の図書館の発展を支える理論の一翼を担いました。これらの業績は、日本における図書館学の基礎を築いたものとして、図書館関係者から尊敬されています。

影響と後世への遺産

毛利宮彦は、図書館の発展に対する真摯な姿勢と独自の見解を持ち続け、図書館学の基礎を作り上げました。その影響は今日まで及び、新しい図書館サービスの設計や運営においても彼の思想が受け継がれています。彼の業績は日本の図書館学界において、後世の研究者や図書館員たちにとって重要な指針となっています。

参考文献

毛利についての詳細な研究が行われ、多くの文献が彼の業績を讃えています。特に中村初雄や二川幸広らによる論考は、彼の全貌を理解する手助けとなります。

以上が毛利宮彦の業績と影響についての概略です。彼の生涯と活動は、日本の図書館学の発展における重要な一章として、現在でも多くの人々に評価されています。

もう一度検索