ニューヨーク公共図書館

ニューヨーク公共図書館の概要

ニューヨーク公共図書館（New York Public Library、略称：NYPL）は、アメリカ、ニューヨーク市に所在する巨大な公共図書館です。蔵書点数はなんと5300万点を超え、年予算は約3億4000万ドル（約400億円）に達しています。これは世界の公共図書館の中でも特に大規模なものとなっています。年間来館者数は約1700万人にも及び、街の人々にとって欠かせない文化・教育の拠点となっています。

図書館の構成

ニューヨーク公共図書館はマンハッタン、ブロンクス、スタテンアイランドに92の地域分館を持ち、研究目的のためのリサーチライブラリーも3つ備えています。利用者は原則無料で、ニューヨーク市に住む人や市内で働く人であれば誰でも会員になることが可能です。この図書館は、ブルックリンとクイーンズにある公共図書館とは異なる独自のシステムを持ち、全体では200以上の図書館が存在します。

教育プログラムとデジタルライブラリー

インターネットを活用し、多くの教育プログラムやイベントを行っているニューヨーク公共図書館は、地域の教育機関としても大きな役割を果たしています。また、著作権が切れた資料はデジタル化され、オンラインで誰でもアクセスできるようになっています。ここには、喜多川歌麿の浮世絵などの貴重な資料も含まれており、誰でも自由に利用できます。

本館の特徴

図書館の本館であるシュヴァルツマン・ビルディングは、マンハッタンの42丁目と5番街のブライアント・パークに位置し、その豪華なボザール建築が観光名所となっています。1911年に竣工したこの建物は、訪れる人々に素晴らしい景観を提供しています。名物は、図書館を象徴するライオンの像であり、彼らの名前は元となったアスター・ライブラリとレノックス図書館から取られています。

近年の改修と新たな取り組み

最近では、図書館は大規模な改修リニューアルを進めており、訪問者向けに新しいギフトショップやカフェを2023年から運用しています。これに伴い、特定の研究・学習目的の利用者だけに利用が制限されたスペースも設けられています。これにより、より多くの人々がアクセスできるようになり、教育・文化の提供が進化しています。

歴史的背景

この公共図書館の起源は、19世紀に遡ります。当時、アスター・ライブラリとレノックス図書館が存在していましたが、1886年にニューヨーク州知事のサミュエル・ティルデンによってこれらが統合され、庶民のための図書館設立が提案されました。以後、アンドリュー・カーネギーの寄付を得て、ニューヨーク中にブランチ・ライブラリーが設立され、1980年には大拡張が行われました。

メディアへの登場

ニューヨーク公共図書館は、多くの映画にも登場しています。特に『ゴースト・バスターズ』や『デイ・アフター・トゥモロー』など、映画のシーンでその特徴的な建物が見ることができます。

このように、ニューヨーク公共図書館はただの図書館に留まらず、歴史と文化が融合した活発な教育機関として、多くの人々に愛され続けています。

もう一度検索