毛利衛

毛利衛の略歴と業績

毛利衛（もうり まもる）は、1948年1月29日に北海道余市町で生まれ、日本の宇宙飛行士として広く知られています。彼は科学者としても優れた業績を残し、真空表面科学や核融合炉壁材料、宇宙実験の分野での専門知識を有しています。

幼少期と学問への志向

幼少期は、カマキリと水泳が苦手であった毛利ですが、1961年のボストーク1号による有人宇宙飛行をきっかけに、宇宙への憧れを抱くようになります。1963年に余市町立東中学校を卒業し、北海道立余市高等学校に進学。1966年には北海道大学理学部に進み、1970年に卒業した後は大学院で化学の研究を続け、1972年には修士号を取得しました。その後、南オーストラリア州立フリンダース大学で留学し、1976年に博士号を取得します。

宇宙飛行士としてのキャリア

毛利の宇宙飛行士としての道は、1983年の宇宙開発事業団による宇宙飛行士の募集から始まります。1985年に最終選考に残り、1986年には公募により宇宙飛行士に選ばれました。1987年からはNASAの訓練を受けると同時に、アラバマ大学での研究も行いました。1992年にはスペースシャトルエンデバーにペイロードスペシャリストとして搭乗し、秋山豊寛に次いで日本人として2番目の宇宙飛行士となりました。宇宙からの帰還後、彼は「宇宙からは国境線は見えなかった」と語り、その経験が国際的な協力と理解の重要性を印象づけました。

宇宙飛行士引退後の活動

2000年には日本科学未来館の館長に就任し、以降も科学教育や宇宙教育に力を注ぎました。2003年には南極での皆既日食観測に参加し、話題となりました。また、様々な講演活動や著書を通じて、科学の楽しさや宇宙の魅力を多くの人々に伝えてきました。2021年には日本科学未来館館長を退任し、新たな活動を開始しています。

私生活と家庭

毛利は結婚しており、3人の子供がいます。8人兄妹の末っ子であり、兄に物理学者の毛利信男がいます。両親は共に理系の研究者であり、父親は獣医師でした。

趣味や受賞歴

趣味は多岐にわたり、スキー、テニス、野球などのスポーツやフィットネス活動を楽しんでいます。内閣総理大臣顕彰など、数々の受賞歴もあり、宇宙教育に対する功績が評価されています。2018年にはフランスのレジオンドヌール勲章を受章しました。

毛利衛は、科学者としての活動を通じて宇宙の探求と人類の未来に寄与し続けており、彼の業績は多くの人々に影響を与えています。独自の視点から科学教育や宇宙の重要性を訴えるその姿勢は、今後も多くの人の心に訴えかけていくことでしょう。

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