毛様体筋

毛様体筋について

毛様体筋（もうようたいきん、英: ciliary muscle）は、内眼筋の一つで、視覚において非常に重要な役割を果たします。この筋肉は水晶体（クリスタリン）を調整し、焦点を合わせるための働きを担っています。毛様体筋は眼球の内側に位置し、動眼神経によって支配されています。

筋肉の機能

毛様体筋の主な機能は、水晶体の厚さを変化させることです。この調整は、視覚の焦点を近くの物体から遠くの物体へと移動させる際に不可欠です。特に近距離を見る場合、毛様体筋が収縮することにより水晶体の支持靱帯が弛緩し、水晶体は弾性によって自然に厚くなります。この状態では、水晶体はより強く光を屈折させ、近くの物体がはっきりと見えるようになります。

逆に、遠くのものを見る場合は、毛様体筋がリラックスし、水晶体は薄くなります。このように、筋肉の収縮と弛緩を通じて、眼球は異なる距離にある物体に焦点を合わせることができるのです。

近視と老眼の関係

毛様体筋の動きは、視覚に関する健康状態にも影響を与えます。たとえば、近くの物体を長時間見るとき、毛様体筋は長時間にわたって収縮し続けます。この長期的な緊張状態が維持されると、筋肉が元の状態に戻りにくくなり、結果として「仮性近視」を引き起こすことがあります。特に、子供や若者に多いこの状態は、視力の低下を招く可能性があります。

一方で、加齢によって筋肉の調節機能が低下することがあります。この現象は「老眼」として知られています。老眼になると、毛様体筋がうまく緊張と弛緩を切り替えられなくなり、近くの物体が見えにくくなることが一般的です。これは、多くの人々にとって避けがたい自然なプロセスの一部です。

まとめ

毛様体筋は、視覚機能の要となる筋肉です。近くの物体と遠くの物体に焦点を調整するために、絶えず働いています。この筋肉の健康を維持することが、良好な視力を保つためには重要です。日常的な目のケアや適切な目の使い方を心掛けることで、仮性近視や老眼の進行を防ぐことができるかもしれません。

参考文献

• - 中嶋康幸 (2014年5月5日). “あたらしい調節の概念（Dynamic biomechanical model）”. 2016年3月8日閲覧。

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