民族問題研究所

民族問題研究所について

民族問題研究所（みんぞくもんだいけんきゅうじょ）は、韓国における左派系市民団体として1980年代末に設立されました。団体の主な目的は、韓国の近現代史に関連する争点や課題を明らかにし、特に韓日間の歴史的問題の清算を進めることです。また、歴史が歪められた形で受け継がれていることを指摘し、正しい歴史認識を育むことが必要不可欠であると訴えています。

設立の趣旨

この団体は設立趣旨書を通じて、歴史の清算が民族問題解決の基盤であると述べています。特に、親日人名辞書の編纂を含む取り組みを通じて、韓国国内に残る「日帝ファシズム」の影響を一掃しようとしています。そして、正確な歴史教育の推進が、民族の復活に繋がると強調しています。

歴史的背景と沿革

民族問題研究所は1991年に設立され、1995年には社団法人として認可されました。その後、2001年には統一時代民族文化財団を設立し、親日人名辞典編纂委員会を発足させます。2015年には日本の軍艦島の世界遺産登録を阻止するため、国際的なロビー活動を展開し、2018年にはソウル市に植民地歴史博物館をオープンさせました。さらに、2019年には地方学校の校歌の見直しに関与し、親日派とされる作曲家の作品を廃止するための予算を提案しました。

主な主張と批判

この団体は様々な歴史的資産に対する認識を巡って、強い主張を展開しています。2017年に発表したガイドブックでは、日本の産業革命遺産登録が官邸主導で進められたことを取り上げ、「反省のない歴史認識」が新たな戦争の道を開く可能性があると警告しました。また、松下村塾に関しては、歴史の正当化が行われた場所であり、産業革命遺産とは言えないと指摘しました。

国立顕忠院においては、反民族行為者が埋葬されていると主張し、その墓を移すべきだと主張しています。2019年には、金昌龍と金錫範の墓を汚す行為を行い、物議を醸しました。彼らが制作した親日人名辞典に関しては、その基準が主観的であり、公平性に欠けるという批判も多く寄せられています。

結論

民族問題研究所は、韓国音楽や文化、そして歴史に深く根ざした活動を続けている団体であり、韓国の歴史認識改革を試みています。彼らの活動は賛否が分かれるものの、韓国社会における歴史問題を考える上で、無視できない存在となっています。今後も彼らがどのような方針で活動を進めていくのか、注視する必要があります。

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