金昌龍

金昌龍（キム・チャンニョン）

金昌龍（キム・チャンニョン、韓国語：김창룡）は、大韓民国の著名な軍人であり、特に朝鮮戦争時代における彼の活動が注目されています。彼の日本名は玉島ですが、アメリカ人からは「スネーク金」と呼ばれ、さまざまな文脈で語られる存在となっています。

経歴の背景

金昌龍は1920年に咸鏡南道永興郡永徳面仁上里に生まれました。彼は普通学校を卒業後、15歳で永興農蚕学校に入学し、日本語と中国語を学びました。卒業後は、片倉製糸工場で働き、次第に新京駅の勤務に転職しました。その後、北支の日本憲兵部隊に入り、憲兵への道を歩むことになります。

1941年4月には新京の憲兵教習所で教育を受けた後、憲兵補助員として朝鮮や中国における抗日組織の捜索任務に従事しました。彼はその後、中国共産党に対して大きな功績を上げ、伍長に昇進し、数多くの抗日組織を摘発することに成功しました。

韓国軍での活動

金昌龍は1946年に38度線を越えてソウルに到着後、朴基丙少尉の推薦を受け第5連隊に入隊しました。しかし、警備士官学校への入学を希望するも不合格となります。失望の中、彼は第3連隊に転隊し、そこでより多くの信頼を得ることに成功。1947年4月に警備士官学校を卒業し、任少尉に昇進しました。

以降、韓国政府樹立後、彼は粛軍事業を進め、多数の左翼勢力を摘発し、その功績により特進しました。金昌龍は李承晩大統領からの信任を受けつつ、軍の保安防諜活動を支援され、重要な役割を果たしました。

暗殺事件

1956年、金昌龍は暗殺される運命に見舞われます。この事件には姜文奉が関与し、業務上の不満が背景にあったとされる。しかし、暗殺は失敗に終わり、彼はその後も政治と軍の権力闘争に巻き込まれます。

1956年1月30日、待ち伏せされた金昌龍は襲撃を受け、重傷を負い病院に運ばれましたが亡くなりました。李承晩は悲しみと怒りに満ち、金昌龍の功績を悼みました。

人物評

金昌龍は出世欲と自己顕示欲が強く、他者に対して冷酷であると評されることもありました。その一方で、彼の武功や忠誠心は評価され、返り討ちや権力争いの中で生き残った実績を有しています。彼は特務部隊長として、韓国国内の政治秩序の安定や軍の統制に不可欠な役割を果たしていましたが、暗殺事件がその運命に終止符を打つこととなります。

金昌龍の遺体は安養市に埋葬されましたが、のちに大田顕忠院に改葬されたことで、彼の残した歴史的影響は今も語り継がれています。

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