民衆党 (韓国 2017-)

韓国の革新政党「進歩党」：その歴史と理念

進歩党は、2017年10月15日、韓国で結成された革新政党です。民衆連合党と新民衆政党が合同して「民衆党」として発足し、その後2020年に党名を「進歩党」に変更しました。発足当初は国会議席を1議席保有していましたが、2020年の総選挙では議席を失い、地方議会にのみ議席を持つ政党となりました。しかし、2023年の補欠選挙で全州市選挙区で議席を獲得し、再び国会の院内政党に復帰を果たしています。

結党と党勢の変遷

進歩党の前身である民衆党は、国会議員会館で合同会議を開催し、党綱領や組織、代表を選出しました。ソウル市庁舎前広場で行われた結党式には1万人以上の党員が参加し、大きな注目を集めました。2018年の地方選挙では11議席を獲得するなど、勢力を拡大しましたが、2020年の総選挙での敗北を機に党名を変更し、党運営の改革に着手しました。その後、2023年の補欠選挙での勝利は、党勢回復の大きな転機となりました。

党指導部と組織

進歩党の指導部は、時代とともに変化してきました。結党当初は金鍾勳氏とキム・チャンハン氏が常任代表を務め、ユン・ジョンオ氏が院内代表を務めました。2020年の党名変更と同時に、金在姸氏が常任代表に就任し、複数の共同代表が選出され、より多元的な指導体制が構築されました。事務総長には金根來氏が就任しました。これらの代表たちは、それぞれ異なる背景や専門性を持っており、党運営に多様な視点を取り入れています。

政治的立場と外交政策

進歩党は、反帝国主義と左翼ナショナリズムを掲げる政党として知られています。特に、日本に対しては強い反日感情を示し、アメリカに対しても批判的な姿勢を取っています。しかし、その外交姿勢は一貫性がないと批判も受けています。具体的には、2019～2020年の香港民主化デモにおいて、当初は中国共産党を支持する発言をしたものの、その後は中国政府の強硬姿勢を批判するなど、立場を修正する動きも見られました。こうした外交政策の揺れは、党内や他革新政党からの批判を招く一因となっています。

選挙結果と支持基盤

進歩党は、地方選挙では一定の支持を獲得していますが、国政選挙では苦戦を強いられています。2020年の総選挙では議席を獲得できず、地方議会にのみ議席を持つ政党となりました。その後、2023年の補欠選挙での勝利が、その存在感を示すものとなりました。進歩党の支持基盤は、労働組合や学生運動など、社会運動に関わる人々を中心に構成されています。全国民主労働組合総連盟（KCTU）のような大規模な労働組合からの支持も受けています。

今後の展望

進歩党は、韓国社会における革新勢力として、今後どのような役割を果たしていくのでしょうか。2023年の補欠選挙での勝利は、党の再生への期待を示す一方、党の抱える課題、特に一貫性のない外交姿勢や国政選挙における低迷といった問題への対応が今後の発展にとって重要となります。革新政党として、労働者の権利擁護や社会正義の実現を目指し、活動を続けるものと予想されます。しかし、香港デモへの対応に見られるように、その立場は流動的であり、今後の動向が注目されます。 さらに、支持基盤の拡大と、他革新政党との関係性も、進歩党の未来を左右する重要な要素となるでしょう。

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